自民党の高市早苗総裁が誕生してからまもなく1週間。自民党と公明党の連立政権は維持されるのか、新総裁は早くも正念場を迎えています。

公明党が異例の「連立離脱」のカードで揺さぶりをかける中、今後はどのように展開していくのでしょうか。

永田町取材では定評があるジャーナリストの鈴木哲夫さんの独自解説です。

出口麻綾アナウンサー:
自民党の高市総裁は野党との調整でさっそく正念場を迎えていますが、まずは国民民主党と日本維新の会、この2党との連携については哲夫さんはどう見てますか。

鈴木哲夫さん:
そもそも連立という話で、維新と国民民主の2つがずっとクローズアップされてきましたよね。「維新とやるのかな、小泉進次郎さんだったらやる。じゃあ高市さんならどうなの?玉木さんは?いや、麻生太郎さんと会ったとか会わないで、じゃあどうなの?」と。

でも今後の政権の枠組みで本当に一番カギを握っているのは公明党なんですよ。これはこの番組でもずっと言ってきたけど、 それが今本当に顕著になってきてますよね。

出口アナ:
では、公明党との連立がどうなるのか、哲夫さんはどのようにご覧になっていますか?

鈴木哲夫さん:
ここにあるように、公明は3つの条件みたいなものを出したんですね。高市さんというのはどっちかっていうと保守的な人だから、公明からするとやっぱり考え方が違う部分がある。その中で公明が出したのは「靖国参拝」、それに「政治とカネの問題」はどうするんですか?「外国人政策」いろいろ言ってるけど、公明は外国人と共生していくと。そういうことを突きつけたわけですね。

今のところ靖国の参拝に関しては一部報じられてますけど、 高市さんは見送るというかちょっと見合わせようかとなっている。外国人政策についてもこれから協議していきましょうと。具体的なものじゃないんですが、ちょっと前向きになりつつある。でも、政治とカネに関しては、自民党が全く返事をしていないわけですよね。今回、裏金問題の萩生田さんがああいうふうに幹部になっているということもあって。

で、きょう(9日)、この番組の直前に公明党の幹部に電話取材しました。すると、これいつもの条件闘争みたいな「1番と3番飲んでくれたら連立しましょうね」とかいう甘いもんじゃないと。もう相当シビアで、これ全国の会議とかきょう4つぐらい会議があって公明党の最大のヤマになっていて、ここで全国の支援者とか地方議員は「もう連立解消じゃないか」と。公明党は今、苦しい時期ですからね。

出口アナウンサー:
最大の支持団体である創価学会の意向はどうなんでしょうか?

鈴木哲夫さん:
これはもう強いです。 創価学会を支えてきた人たちは平和が理念ですから、そういう意味で保守的な考え方とは相いれない。公明党も今、非常に党の勢いが悪くてピンチなんですよ。だから本当に今、結束して原点に帰ろうというときに、中途半端にそういう保守的な政権、自民党と組んでいいのかと。 だから連立というのは今までのような条件闘争で最後はなんとかなるって自民党がもしそんなことを考えていたら、とてもそんなことはないとその幹部も言ってたので、かなり緊張した状況になると思いますね。

川崎健太キャスター:
公明党の連立離脱の可能性はゼロではない?

鈴木哲夫さん:
僕はゼロではないと思いますね。これが結局もめてますから、 なかなか国会も始まらないけれども、最大のヤマは「維新と組むか国民と組むか」じゃなくて、公明党がもう本当にカギを握ってるという状況になりましたね。

(2025年10月9日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)

テレビ西日本
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