育児の話題をお伝えするThank you for Zeroのコーナ―です。
きょうは、子育て中の人もそうでない人も経験したことがある話題を取り上げます。
【広島の子育て世代は…】
Q:レストランとか公共交通機関で急にぐずって困った経験はありますか?
「周りの人に迷惑をかけてはいけないと思って静かにしなさいとか、じっとしておいてねって心配事はありましたね」
「なるようにしかならないんで、そのままうるさくさせてました」
「子供がいる家族が周りに居たらいいですけど、そうじゃない方だとなかなか理解を得られない事あるかな」
「よその家庭の子が泣いた分については気にはしないんですけど、自分の子ってなったら皆、気にはしてないのかもしれないけど、気になる感じはありますよね」
公共交通機関で≪泣き声≫ レストランで≪泣き声≫
子供が突然泣きわめき困ってしまう・・そんなときのためにと6年前に誕生したのがこちら。
その名も「まほうのシール」です。
無料で配布されていて、手にした人が、泣いて愚図る子供に出会ったときこれを渡すことで、子供を笑顔にし、保護者には「泣いていても大丈夫」という意志を伝えるものです。
子供が好きな動物ランキング1位の象が描かれています。
2019年当時、製作していたのはSNSの呼びかけで集まったメンバー。
共通点は子育てをしていることでした。
子育てしやすい社会を目指した民間での取り組みです。
【広島こそだて未来会議・津福彩夏さん】
「子連れのおでかけとかにやさしい社会の手助けになるようなことを私もやりたいなと思ってシールのプロジェクトを始めました」
子育て世代の反応は?
【広島の子育て世代は…】
「みんながこうやって大丈夫だよって思ってるのが、目に見えて分かったらありがたいです」
「すごく助かります。その場ですぐ貼って、ぺたって遊べたりするので、きっとご機嫌になるね」
「やっぱり周りの目とかもあるので、そういうことを考えたら、こういうのがあるとすごい助かります」
さらに今、新しい動きがあると聞き、再び訪ねました。
【まほうのシール事務局リーダー・片元友紀さん】
「今回、広島バージョンが新しくご当地シールとして出来たんですけど、新しい広島バージョンは、実は英文が増えまして、やっぱり、観光で広島に来ていただく方がインバウンドですごく増えて」
平和公園や宮島を訪れる人が過去最多となるなど、観光客が増加する中、英語での説明を追加しました。
更に、宮島の鳥居や折り鶴など広島色カラーのデザインに。
【まほうのシール事務局リーダー・片元友紀さん】
「広島っていう所は子育てに優しい街で、泣いたりとかしても、心配せずあなたの観光を楽しんでくださいっていう思いをお伝え出来たらと思って、今回はこれを作りました」
外国人の反応は?
【スイス人観光客】
「とてもいいアイデアだね。子供たちが感情を表現できることを示すよい方法だと思います。このステッカーから始まる取り組みは、子供たちが将来、もう少し自由に自分を表現できる可能性を示唆しているのかもしれません。泣くことが悪いことではないのですから」
【アメリカ人観光客】
「ぐずるかって?うんうんぐずるわ。だから彼女がぐずり始めたら、すぐにスナックをあげなきゃいけない」
ステッカーを差し出すと
「すごくかわいい。ゾウが大好きなの。一番好きな動物よ。アメリカでは日本より子供連れで移動しすい」
【デンマーク人観光客】
「とてもかわいいし、いいアイデアだと思います。日本人はとても礼儀正しいので、もちろん迷惑をかけたくないし、私も溶け込みたいです」
「まほうのシール」はこの6年で、福岡、熊本、山口など5県にも広がりを見せ、活動の幅が広がっています。これまで累計10万枚を発行していますが、課題もあります。
市民グループの取り組みなので、シールの製作費を賄うのは広告です。一口5万円の広告費でシール2000枚を発行し、生産しています。
広告が途絶えるとシールの製作も止まってしまいます。
【広島こそだて未来会議・片元友紀さん】
「子育てのことって、こんな嫌なことされた、の方がクローズアップされやすいというか、『子供連れてて、温かい気持ちになりました。他の人のおかげで』っていうのがあんまりないような気がします。なのでちょっとでも届ければいいなと思って、この活動をしてます」
【広島こそだて未来会議・津福彩夏さん】
「日本全国でみんなが財布の中に、このシールを忍ばせてて、ただ使わなくても、ただ自分が持ってくれてるってだけで、すごく子育てに温かい社会に近づくかな」
子育てしやすい社会を作りたい。
子育て世代の想いをのせてシールは届けられています。
≪スタジオ≫
実は広島県でこんなデータがあります。
社会全体の子育て応援の雰囲気についての質問を子育て世代に尋ねたものです。
応援されていると感じているのはおよそ4人に1人だけなんです。
どちらともいえないがもっとも多く、一方で応援されていないと感じているのはおよそ35%と応援されているを上回っているんです。
このシールを発行するための費用は広告で賄っているということですが、『まほうのシール』本当に企業のイメージの向上にも繋がると思いますし、子育てしている当事者のご家族の皆さんだけじゃなくて、企業だったり、私たち一般の子育てをしていない人でも、みんなでこうやって子育てをしていくんだよって意思表示にぴったりかなと思います。