そこから約8カ月の時を経て再び戦いの場へ戻ってきた三原。初戦となったサマーカップでは会心の演技を見せ3位表彰台。会場は感動の渦に包まれた。

三原のショートは名プログラム『戦場のメリークリスマス』(近畿選手権)
三原のショートは名プログラム『戦場のメリークリスマス』(近畿選手権)

3年ぶりに、ブロック大会から全日本への道を歩むこととなった今季。ショートは、キャリアハイの22-23シーズンに滑った『戦場のメリークリスマス』。

ファンの中でも名プログラムとうたわれる三原を象徴するプログラムの一つだ。

三原の持ち味でもある指先まで思いのこもった丁寧な滑りで世界観を表現。軽やかなジャンプを3本ノーミスし、2位につけた。

キスクラ後、笑顔を見せた三原(近畿選手権)
キスクラ後、笑顔を見せた三原(近畿選手権)

「後半に3回転3回転(のコンビネーションジャンプ)を跳んでこそ『戦場のメリークリスマス』の世界観かなって思う。そこは自分を曲げずに跳べるようにしたいなと思っていて。成功率もノーミス率も上がってきていたので、ちょっと悔しさはあるんですけど、しっかりまとめられてよかったです」

2季前のフリー『Jupiter』を披露した三原(近畿選手権)
2季前のフリー『Jupiter』を披露した三原(近畿選手権)

フリーは、2季前に滑っていた『Jupiter』。

前日悔いのあった3回転ルッツ+3回転トーループの高難度ジャンプを着氷。怪我の影響で跳ぶことが難しかったジャンプを投入し、今できる最大限のパフォーマンスを見せた。

怪我や病気などさまざまな試練を乗り越え、トップスケーターとして走り続ける三原。五輪シーズンにも、その不屈の魂は宿り続けている。

「1番は応援してくださるみなさまにしっかり“ここまで戻って来られました”と、言葉じゃなくて演技で、表現で、表情でお見せできたらいいなと思っています。次の試合に向けてもしっかり頑張りつつ、今までの私のスケート人生の悔いがないように過ごしていきたい」