その後も耐えながらもすべてのジャンプを着氷し、「今は形が見えてきたのが一番の収穫ですし、そこがよりはっきりして、より色がついてくれば点数もついてくるかなと思うので、あとはそういう磨きの作業に入ってくるかなと思いますし、しっかり今シーズンの形が見えたのはよかった」と振り返った。

27歳、男子シングル最年長の友野は3度目の五輪への挑戦。
2020年ぶりの近畿選手権優勝を弾みに、次戦は「より覚悟を決めてやらないといけない」と話すGPシリーズカナダ大会だ。
「あとは何がどうこうとか言うよりかは試合でもレベルも国際試合でも取れたり、練習が結果として少しずつ出ている部分があるので、もう毎日とにかく“自分史上一番頑張った”と思える1日1日を過ごすことが大切」と初の五輪代表へ1歩1歩進んでいく。

2位は片伊勢武アミン。
ショートは、「満月が照らし出す真夜中の湖で妖精が遊んでいる」イメージで滑る『月の光』。
冒頭GOE(出来栄え点)1.33がつく鮮やかなトリプルアクセルを決めると、67.17点で2位発進。

フリーは『レ・ミゼラブル』より『Bring Him Home』。テーマは「祈り」。振り付けの際に1つ1つの振り付けの意味合いを鈴木明子さんと確認し、忠実に再現できるように練習を積んできた。
単調でゆったりした表現が難しいプログラムだが、情感あふれる滑りでメリハリをつけているのが印象的だった。
表現力や美しいスケーティングに定評がある片伊勢だが、今季からフリーでトリプルアクセル2本構成に挑戦し、技術面でのレベルアップも視野に入れている。今大会では2本成功とはならなかったものの、「練習量も増やしていて確率も上がってきている」と練習での手ごたえはつかめてきているようだ。
今大会でサマーカップからの成長を実感し、西日本インカレ、西日本選手権へと進む。
「点数や結果で残さないとダメな部分に入ってくると思うので、自分に厳しくショートもフリーも完成度を底上げして、納得した形で試合を終われるようにしたい」と結果を求め練習に励む。