10月3日から10月5日に京都・木下アカデミー京都アイスアリーナで行われたフィギュアスケート・近畿選手権。男子は名倉一裕が、女子は山田恵が優勝を飾った。
この近畿選手権で西日本選手権への出場権を獲得したジュニアの選手たち、そして全日本ノービス出場を決めた選手たちを特集する。
【ジュニア男子】名倉一裕が初優勝
西日本選手権にはシード・高橋星名と出場した13名全員が進出した。
優勝は名倉一裕。ショート1位、フリー1位で近畿選手権初優勝をつかんだ。
去年まで大阪スケート倶楽部で技術を磨いてきた名倉は、「シスメックスの4人の偉大な先輩たち(壷井・坂本・三原・三宅)と、また、たくさん同世代の上手な選手がいる環境に身を置いて練習したかった」と今季から神戸クラブへ移籍。
「花織ちゃんのキレキレのジャンプ、三原選手の天使ようなふわっとしたジャンプが大好きで参考にしている」と日々刺激を受けながら練習を積んできた。

ショートは宮原知子さん振付の『エデンの東』。
ジャンプの構成は落としているものの、全てのジャンプをクリーンで決め加点を稼ぐと、自身の武器だと話す伸びのあるスケーティングで壮大な曲を表現した。
過去多くの選手が滑ってきている定番の曲だが、ステップシークエンスでの斬新なムーブメントで一味違う“名倉一裕の”エデンの東が今後どう洗練されていくのか楽しみだ。

フリーは『ロミオとジュリエット』。
胸元に十字架が光るブルーの衣装で登場した名倉は、冒頭3回転ループを鮮やかに着氷すると、たおやかな体の使い方で緩急豊かにロミオを演じきった。
ショート、フリーともに演技構成点で逃げ切った名倉はキスアンドクライで中野コーチに「(優勝が決まって)よかったね」と言われるも、「上の点が全然出てないからもっと練習しないといけないですね」と話すなど、さらなる成長を見据える。
演技後は悔しそうな表情だった名倉だが、表彰式後のインタビューでは「ジャンプがはまらない部分がありましたが、自分のロミオとジュリエットの気持ちに乗せて大きく表現することができてよかった」と笑顔を見せた。

去年の全日本ジュニアでは実力を発揮できず「落胆だった」と話す名倉。そこから、“兄貴”と慕う朝賀俊太朗に「自分をもっと追い込める」と言われ、トレーニングや毎日の練習の振り返りを行うなど「考えるスケート」をするようになったという。
“兄貴”と神戸クラブの先輩たちの背中を追い、全日本ジュニアでのリベンジを誓う名倉。
今大会シニア女子で優勝した三宅に、コーチングしてもらっているというトリプルアクセル投入も見据えて、「毎日ノーミスして帰れるような練習」をして、「西日本では6位以内に入って完璧な演技を披露します」と力強く語った。
【ジュニア女子】山田恵が2年ぶり頂点に
西日本選手権にはシード・櫛田育良、JGP出場のため予選が免除されている岡万佑子、村上遥奈、金沢純禾に加え、上位13名が進出した。
優勝は山田恵。
全日本ジュニア出場経験者が多く集う中、2年ぶりに近畿選手権の頂点に立った。