市政の混乱が続く静岡県伊東市で有名観光地がいま大きな問題にさらされていることが分かりました。
冷え込みの強い朝にみられる幻想的な「けあらし」。
この「けあらし」の名所としても知られるのが市内の湖・一碧湖です。
伊豆半島唯一の湖として「伊豆の瞳」とも称され、多くの観光客が訪れるほか、市民の憩いの場として湖畔を一周できる遊歩道が人気ですが、10月31日からその一部が通行できなくなることが分かりました。
伊東市観光課・佐藤文彦 課長:
10月末を持って土地の使用貸借を解約する。通行が出来なくなるので周遊はできなくなる
この突然の決定に、散歩をしていた市民は?
市民:
(Q.今月いっぱいで通れなくなるかもしれないが?)え~本当ですか?なんでですか?1周できる所とガイドブックにも書いてあるので、それを楽しみに観光に来る人もいるので、伊東市も(土地の)持ち主もどうかお願いできれば
では、なぜ遊歩道を通れなくなるのか?
実は、遊歩道の一部は民間事業者の土地で事業者側がボートが置けるような桟橋の設置を提案したところ市と地元の財産区から同意を得られなかったことが原因だといいます。
土地の所有者である事業者は「公園をもっと良くするために(桟橋を)置かせてくれと言ったら(地元側から)『子供が落ちたらどうするんですか?』と言われた」「妥協点を探ろうとしていたら市から連絡があって『契約解除でもいい』と伝えられた」と話しました。
事業者は3年前に前の所有者から土地を購入し市に無償で貸しています。
改めて田久保市長は協議で折り合えなかったと明かしました。
伊東市・田久保眞紀 市長:
時代の流れとともに所有者も代わるし、一碧湖の環境も変化している。自然環境や一碧湖の保全とともに、どう観光と共生させていくのか?これからしっかり考えていきたい。今回本当に残念で一時的に通れなくなるが、必ず楽しんでもらえる環境を取り戻していきたい
田久保市長は遊歩道に迂回路を設置するよう職員に指示しました。
市の観光名所はどうなるのか?その行方が注目されます。