10月1日の大雨で住宅への浸水被害などが出た、宮城県内3つの自治体では、り災証明書などの受付が始まっています。
1日朝、発生した集中豪雨で、県内では道路が冠水し、住宅や車が浸水するなどの被害が出ました。
年間91万人ほどが来館する多賀城市立図書館では…読み聞かせスペースに40センチほどの高さまで、水がたまったということです。
多賀城市生涯学習課 松田直樹課長
「階段の段差の部分から、にじみでてくるような感じで、下から湧いてくるような感じで、水があがってきた」
排水や乾燥作業のため、このスペースを含む子供用の図書エリアを閉鎖。再開のめどは立っていません。
多賀城市生涯学習課 松田直樹課長
「本を借りたい方には少し時間がかかるが、貸出できる状況を継続しながら、1日でも早く復旧できるように頑張っていきたい」
多賀城市や塩釜市、仙台市では、住宅被害を証明する「り災証明書」や車や家財の被害を証明する「り災届出証明書」の受付が始まっていて、多賀城市ではすでに相談に訪れる人もいるということです。
県のまとめによりますと、多賀城市では床上浸水が19戸、床下浸水が9戸、塩釜市では床上浸水と床下浸水、それぞれ1戸が確認されています。
今回のような浸水のリスクを、事前に把握する方法があります。
今回の大雨では川が氾濫したわけではなく、雨が下水道などの処理能力を超えてしまったことで水が溢れる「内水氾濫」という現象が起きました。
どういう場所で「内水氾濫」が起きやすいのか、それを知る手立てとして「内水ハザードマップ」というものがあります。
仙台市が公開している内水ハザードマップです。
中身を見てみると、大雨の時に水が溜まりやすい場所に色が塗られています。緑、青、ピンクの順に、浸水の深さが増していきます。
これは、土地の状況や、下水道の整備状況を考慮して、コンピューターシミュレーションではじき出されたものです。
例えば、今回、浸水の被害が大きかった宮城野区の白鳥は、一帯がピンク色。非常に水が溜まりやすく、水かさも増えやすい場所に指定されています。ほぼ、シミュレーション通りの浸水が起きたというわけです。
これを事前に見ておくことによって、大雨の時には、ここは近づかない方がいい、迂回しようというように、危険を回避できる可能性が高くなります。
普段通る場所だけでも十分かと思いますから、まだ見たことがないという方は、一度ご覧になって、早い避難行動の手助けにしていただければと思います。