10月1日、静岡県内の多くの企業では新卒採用者の内定式が開かれました。人手不足が深刻化するなか、せっかく採用した人材を逃さないよう各社、工夫を凝らしています。
真新しいスーツに身を包んだ内定者が向かうのは…
“入社先”ではなく駿河湾フェリー。
清水区に本店を置く清水銀行が初めて開いたのは、船旅を楽しみながら懇親を深める内定式です。
あいにく、この日はフェリーの不具合で出航はできず。
それでも、フェリー2階の「特別室」で頭取と昼食をしながら会話を楽しみました。
清水銀行の内定者:
銀行業務で一番重要なことは何でしょうか?
清水銀行・岩山靖宏 頭取:
信用信頼だと思う。それを上回るものはないと思う
清水銀行・岩山靖宏 頭取:
銀行を離れて外で(内定式を)やってフェリーというのもあるので、挑戦というところも含めてやった次第。すべては人材だから、何をするにしても人だから、若い世代の考え方を勉強しなければいけないと思うし接する時間も増やさないといけないし、そんなところで少しずつやっている
一方、こちらの企業では…
浜松支社・落合健悟 記者:
こちら内定者が集まっている部屋なんですが、私のようなスーツ姿ではなく、ラフな服装の人がほとんどです
パッとみたところ、ラフな服装の若者が集まっていますが…
実は浜松市に本社を置く楽器メーカー・ヤマハの内定式です。
ドレスコードは「楽しいことをしているときの服装」。
執行役員もウォーキング用の服装で参加します。
ヤマハの内定者:
趣味で所属している大学の吹奏楽部の演奏会で着用するステージ衣装というか。カジュアルな人が多いので、浮いちゃっているかな
ヤマハの内定者:
自分が好きなアーティストのライブのグッズを持ってきました
この形での内定式は2025年で3回目で、入社前から気心が知れた同期ができることや個性を尊重する社風を感じることで、内定辞退者の数は想定を下回っているということです。
ヤマハの内定者:
皆さん趣味の服装がかなり多かったので、そこから話が弾んだのですごく話しやすかった
ヤマハの内定者:
みんなの生き生きした姿が見られて、こういう人たちと働けるのが楽しみ。入社が待ち遠しくなりました
ヤマハ人事部・鈴木啓太さん:
仕事や処遇だけを伝えるのではなくて、会社の風土や仲間とのつながりを採用選考を通じて実感してもらえるような工夫をしています
人手不足の中、優秀な人材を確保する工夫が続いています。