任期満了に伴い10月5日に投票が行われる岡山市長選挙を前に岡山市政の課題についてシリーズでお伝えしています。10月1日は「子育て施策」です。
(佐藤理子アナウンサー)
「岡山市南区の芳明小学校の一角にある放課後児童クラブです。待機児童対策で2024年に施設が建てかえられ、2025年から定員が44人増えました」
岡山市によりますと2025年5月1日時点で、市の放課後児童クラブには2024年より469人多い1万373人が在籍しています。これに対し待機児童の数は53人で、236人だった1年前と比べ約8割減り、2027年度にゼロとする目標達成が目前に迫っています。
しかし、実際は統計に表れない「隠れ待機児童」が存在しています。認可保育園の場合、「特定の施設を希望している」「求職活動を休止している」などのケースは待機児童にカウントされません。2025年の隠れ待機児童は341人。希望がかなわない世帯が多くあるのが現状です。
岡山市は、待機児童対策や高校生の給付型奨学金など子育て関連予算を年々手厚くし、充実を図っていますが、人口規模が大きい都市ならではの課題もあります。
その一つが、小中学校の給食費の無償化です。
現在、岡山県内では13の自治体で小中学校の給食費の完全無償化、もしくは、一部無償化が行われています。しかし、岡山市では現時点では無償化は行われておらず、政令市の中でも給食費が高い傾向にあります。
現職の大森雅夫さん(71)は、国が目指す2026年度からの小学校の給食費無償化を踏まえて国と連動しながら軽減を目指すと話します。
(大森雅夫氏<無・現>)
「給食費を(市が)出した時には多額のお金が必要となる。今の岡山市の体力では無理。質の確保をやりながらどこまで落とせるのか。(国との)連動をどう考えていくのかやっていきたい」
市民の暮らしを最優先にする政策を掲げる向谷千鳥さん(67)は、国の財政支援について先行きは不透明だとしたうえで市が給食費削減に舵を切り、完全無償化を訴えます。
(向谷千鳥氏<無・新>)
「保護者負担もゼロにしたいし、質を落とさないことも重要。栄養教諭もなかなか各校に配置することはできていないが、そこもなんとかクリアしたい」
現役の子育て世代である神崎政人さん(37)は、「経済的理由で結婚や出産の機会が損なわれてはいけない」として国の方針に先んじて完全無償化を行うと訴えます。
(神崎政人氏<無・新>)
「国の政策に全て合わせるのではなく、市の方でも補充的な施策をして給食の質を高めたり、食育・郷土料理のメニュー化、食文化の継承といった面も充実させていきたい」
中学生の双子を育てる浦上雅彦さん(60)は、自身の子育て経験から給食費を免除し、家計の手助けをしたいと話します。
(浦上雅彦氏<無・新>)
「安いのが一番みたいな考えの学校給食は良くない。できるだけ地元で取れて栄養たっぷりな体にいいものを。惜しむのではなくしっかり予算を付けて免除するのが一番子供にも家計にも優しいのではないかと思う」
岡山市長選挙は10月5日に投開票が行われます。