岩手県北上市の小中学生が中心となって結成したソフトボールの選抜チームが、8月にアジア代表として出場した世界大会で、最もスポーツマンシップに優れたチームに選ばれました。
そのチームが仲間との絆を確かめ合う最後の試合を行いました。

9月21日、北上市の藤沢広場には、アジア代表の緑色のユニフォームを身に着け躍動する選手たちの姿がありました。

北上市を拠点とするソフトボールチーム「いわさきレッズ」を中心に岩手県内と東北地区から集まった小学校6年生から中学校2年生です。

選手たちは8月、アメリカで行われた「リトルリーグ・ソフトボールワールドシリーズ」に出場しました。

この大会に日本代表が出場するの初めてでしたが、見事6位入賞し、フェアプレーなど試合の立ち振る舞いが最も優れたチームに贈られる「スポーツマンシップ賞」を受賞しました。

チームを引っ張った千田ゆうか主将は、大会について「楽しい思い出になった。スポーツマンシップ賞という賞ももらえて、日本の礼儀正しさとかを海外の人に見せることができた」と振り返りました。

世界大会から1か月が経ったこの日は、13人の選手が再び北上市のグラウンドに集まりました。

選抜チームの千田直樹監督は「アメリカで戦った仲間と最後にいい思い出ができればいいなということで、やらせてもらった」とこの日の試合について説明しました。

選手たちは世界大会が終わってからは、それぞれが所属するチームに戻って活動していました。
世界大会に挑戦するために集まった特別なチームだったため、このメンバーでの久しぶりの試合は最後の試合になりました。選手たちも気合が入ります。

野崎凜香選手は「このユニフォームを着て試合をすることもこれで最後だと思うので、みんなで元気を出してチームの雰囲気を乱さずに勝ちたい」と意気込みを語りました。

最後の試合の相手はパワーもスピードも格上の高校生です。
なんとか食らいつこうとしますが、力の差が出る試合展開となります。

そんな時、ベンチから大きな声が響きます。
大きな声で仲間を応援する、いいプレーがあったらみんなで駆け寄る、選手たちは世界から認められた「スポーツマンシップ」のベースとなっている“元気を出して笑顔でプレーする”ことを思い出し全力を尽くします。

そのはつらつとしたプレーは一番近くで成長を見届けてきた保護者にも伝わっていました。
「最後とは思えないくらい楽しそうでよかった」「アメリカの大会を思い出した。最後なんだという寂しい気持ちもある」と感慨深げに話していました。

試合には負けてしまいましたが、最後までチームの持ち味を出すことが出来ました。

大舞台を一緒に経験した貴重な仲間ともう一度全力で戦った最後の日。
これからはそれぞれのチームに戻るため、この試合は特別な区切りとなりました。

千田直樹監督は「人生の糧になってくれればいいのかなと思うので、目の前のことを一生懸命に取り組んで、ソフトボールにも取り組んでいってほしい」と選手たちにエールを送りました。

主将の千田ゆうかさんは、「忘れられないいい思い出になった。さみしい部分もあるけど、今回で終わりじゃなくてこれからどんな風になるのかなっていう楽しみのほうが大きい」と希望を胸に語りました。

世界への挑戦、そして仲間との絆。
ソフトボールを通じて得た経験は、子どもたちの未来へとつながります。

岩手めんこいテレビ
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