動物のように四肢(手と足)を使って前進する「四足走行」。
競技人口は世界に200人から300人いるとされ、100メートル走ではアメリカの男性が出した15秒66が世界ギネス記録となっていた。
こうした中、中学生のころから「人類最速の四足ランナー」を目指してきた鳥取・米子市の22歳の男性が、記録更新に挑戦した。

人類最速の「四足ランナー」米江龍星さん
人類最速の「四足ランナー」米江龍星さん
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サルが「憧れ、師匠のような存在」 「四足走行」への情熱

8月下旬にギネス挑戦の記者会見を開いた米子市の米江龍星さん(22)。「みんなもワクワクできるような挑戦にしたいので、応援よろしくお願いします」と意気込みを語った。
米江さんが「四足走行」に興味を持ったのは14歳、中学生の頃だった。サルを見て「もう憧れ、師匠のような存在。ああいうこともしてみたいな」と思ったのがきっかけだという。

サルが“師匠”で憧れの存在
サルが“師匠”で憧れの存在
人類最速のフォームを研究
人類最速のフォームを研究

高校時代は陸上部で8種競技に取り組みながら、独学で「四足走行」の研究を続けてきた。
以来、「世界一」を目指してトレーニングや技術研究に没頭する日々を送ってきた。

 競技人口は世界に200~300人 100メートル走行ギネス記録を破りたい

競技人口は世界で200人から300人ほどと言われる「四足走行」。これまでの100メートルの世界記録は、3年前にアメリカの男性が出した「15秒66」だった。
米江さんは8月上旬の練習で、非公認ながらこれを0.1秒あまり上回る「15秒53」をマーク。世界記録更新への自信を深めていた。

練習で「世界記録」更新し挑戦に自信
練習で「世界記録」更新し挑戦に自信

「それぐらい出せるポテンシャルはあるので、周りの人たちが応援してくれるというのが精神的に大きい。そういったところがあれば、もう間違いなく出せると思います」と語っていた米江さん。その言葉通り、本番では記録更新を果たした。

米江さんの挑戦を市民が見守る
米江さんの挑戦を市民が見守る

しなやかにトラック駆け抜け…前人未踏の新記録誕生

9月24日の記録会。「世紀の瞬間」を見届けようと米子市の伊木市長も駆けつけた。
米江さんは「二足がウサイン・ボルトなら、四足は米江と言われたい」と抱負を語り、いよいよスタート。

しなやかなフォームでスタート
しなやかなフォームでスタート

鍛え上げた手足をフル回転させ、しなやかに駆け抜ける姿はまさに野生動物そのもの。
ラストスパートをかけ、見事にゴールテープを切った。

記録は「14秒55」。前人未踏の14秒台を記録し、見事ギネス世界記録を大幅に更新した。

これまでの記録を大幅更新しギネス認定
これまでの記録を大幅更新しギネス認定

100メートル世界記録保持者「二足はボルト、四足は米江」の夢を実現

記録達成後、米江さんは「もうびっくりですね。みんな応援してくれていたので、応援がすごく力になりました」と喜びを語った。
「二足はウサイン・ボルト、四足は米江龍星だと。そう言われたいと思ってずっと続けてきたので、今日世界記録出せてすごくうれしいです」と、長年の夢を実現させた達成感を噛みしめた。

ギネス記録認定証を手に笑顔
ギネス記録認定証を手に笑顔

今後の目標については「まだ人類で1番になったのに過ぎないので、次は『サル』にも勝てるように常に上を目指したい」と、さらなる高みを見据えている。

記録達成で喜び爆発
記録達成で喜び爆発

中学生の頃から約8年間、独自の道を切り開いてきた米江龍星さん。「人類最速の四足ランナー」として新たな歴史を刻んだ彼の挑戦は、これからも続く。  

(TSKさんいん中央テレビ)      

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TSKさんいん中央テレビ
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