自民党総裁選で小泉進次郎氏を支持する議員側が、小泉氏を称賛するコメントをインターネット上に投稿するよう要請した問題。

9月27日に生配信された、自民党総裁選の候補者5人の討論番組内でも、この問題に対して言及する場面が見られました。

ひろゆき氏:
国民の関心なんだろうとコメント見ていると、すげえ“ステマ”って書かれているわけですよ。“ステマ”に関してどう思うかというのを…。
ひろゆき氏からこう問われた候補者たちは、それぞれ「小泉氏もすでに謝罪している」という見解を回答。

高市早苗氏も、「自民党内のことについては、左に同じと、同じ意見でございます」と回答するにとどまりました。

小泉進次郎農水相:
ひろゆきさんは私に聞きたかったと思うのですが、その分、他の候補の皆さんには今の問いに答えなくてはいけない環境を作ってしまったことも、大変申し訳なく思います。

28日に行われた討論会の中でも、学生から「言論の自由や選挙の公正さに関わり、民主主義を揺るがしかねない事態だと考えます。今後の政治活動において民主主義と言論の自由をどう守っていくのか」問われると…。

小泉進次郎農水相:
今回のことは私を応援する議員が起こしたとはいえ、最終的には私の責任だと思います。
なお、言論の自由とかの話もありましたが、私は基本的に言論の自由、そして表現の自由、これは尊重されるべきだと思うので、その規制については最小限であるべきだという立場です。
国民と政治家の“信頼関係”を壊しかねない
今回の件を受けて、小泉陣営で広報班長を務めていた牧島かれん元デジタル相は、広報班長を辞任。小泉氏も自身の関与は否定したものの、事実関係を認めて陳謝しています。

谷原章介キャスター:
一言で言うと残念ですよね。政治家で最も大事なのって言葉じゃないですか。信頼ですよ。今回、言葉を使って信頼を揺るがしかねないようなことが起きてしまった。
国民と政治家の間って、その言葉を使った信頼で結ばれているわけで、その信頼関係を壊しかねないというのがこわい。

佐々木恭子キャスター:
しかも、変わるっていうことがテーマの今回の総裁選で、これだとまた不透明だなって見えてしまうと思いますし、これがあまり自民党内で問題視されてないように見えるのがなぜだろうなぁって。

谷原章介キャスター:
(候補者)5人そろって、同じように「たいした問題ではない」としていることが、変わらない自民党の象徴のように見える。

スペシャルキャスター カズレーザー氏:
小泉さんも「自民党をひとつに」と言っていたので、もうすでに“自民党はひとつ”なんだということでもあるし、ということは、誰が総裁になっても自民党は変わらないというメッセージが補強されたんだなと。あまりよくない火消しの方法だったのではないかなと思います。
――このような自陣営で称賛コメントを書き込むということは、政治の世界では一般的に行われていることなのですか?
フジテレビ 高田圭太氏政治部長:
ネット世論などは大変気にしているとは思うのですが、陣営で呼びかけたものが明らかになったというのは聞いたことがないです。もちろん秘書さんとかで、個人的に書き込みしている方とかはいるかもしれませんが。

谷原章介キャスター:
街頭演説なんかで、スタッフジャンパーを着てボランティアで参加している人以外に、群衆の中で「いいぞ!」って声を出すような“サクラ”の運動員みたいな人はいたりするんですか?
フジテレビ 高田圭太氏政治部長:
正直それはいますね、各政党。それと同じような感覚で今回のことも行われた可能性はあるという声もあります。
(今回は)メールの依頼の文が出たというところで、初めて我々の目にこうやって見えたのは大きいのではないかなと。

佐々木恭子キャスター:
(今回かき込まれたコメントの中に)政治的な本質を突くようなコメントはないですけれども、ただ今こうやってネット言論の上で誹謗中傷からどうやって人を守ろうかと考えなければならないときに、(他の候補者について)あえて揶揄するとも受け取れるようなことを流すということにおいては、それを自民党のメディア局長の広報班長が要請をしたということは、リテラシー的なことはどうなのかなと思ってしまいます。
谷原章介キャスター:
ただ実際これは自民党内の選挙ですから、公職選挙法に触れるわけではないことは確かじゃないですか。とはいえ印象が悪いですよね。

フジテレビ 高田圭太氏政治部長:
そうですね。小泉陣営の中では、すごく批判されているのでそこに対するカウンターというか、バランスを取ってもいいのではないかという思いはあったのではないかという声はあるのですが、やはり深刻な事態にはなっていますね。
(「サン!シャイン」 2025年9月29日放送)