北陸新幹線新高岡駅前の市営駐車場が週末を中心に満車状態となり、利用者が車を停められないという問題が慢性化している。敦賀延伸で新幹線利用者が増加する中、駅周辺に新たな駐車場スペースを確保することが難しい状況だ。

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満車続きの駐車場

9月下旬の日曜日午後2時。新高岡駅周辺の市営駐車場は全て満車となっていた。

新高岡駅前には市営駐車場が6か所あるが、その全てが満車状態だった。480台収容できる立体駐車場も1階から屋上の4階まですべて空きがない。空車になっても、待機していた車がすぐに入り、満車の状態に戻るという状況が続いている。

「駐車場が空いてるかなと心配になる」「これじゃあ大変」と利用者からは不安の声が聞かれた。ある利用者は「久しぶりですけど、昔はここまで混雑がひどくなかった」と状況の変化を指摘している。

市の認識と対応策

高岡市都市計画課の橘篤志課長は「令和6年3月に敦賀開業があったことやコロナ禍が明けたことで観光需要が増えたものと考えている」と分析する。

市では対策として、駐車場の利用状況をリアルタイムで配信する「満空情報」というウェブサイトを運営している。利用者は事前に駐車場の空き状況を確認できるようになっているが、満車の場合の代替手段とは言えない。

あいの風とやま鉄道の高岡駅前
あいの風とやま鉄道の高岡駅前

このため、あいの風とやま鉄道の高岡駅前にある駐車場に車を停めて、JR城端線や路線バス、あるいは徒歩で新高岡駅まで移動する方法を提案している。新幹線利用者限定で、高岡駅前の駐車料金が7日間まで無料になる措置も取られているが、利便性の点で浸透していないのが実情である。

問題の背景と経緯

北陸新幹線開業に合わせて策定された新高岡駅周辺のまちづくり計画では、駐車場の需要は東京・金沢間の開業で800台、大阪まで延伸された際に1500台と予測されていた。

そのため、新高岡駅前には807台の駐車場が整備され、今年3月には民間を含めて50台余り増やして、現在861台の収容能力がある。しかし、昨年の敦賀開業で利用者が増加したことで駐車場不足に陥っている状況だ。

対策の難しさと今後の課題

新高岡駅前で簡単に駐車場を増やせない理由について、橘課長は「新高岡駅周辺に駐車場に適した空き地がないのも現状としてある」と説明する。

駅の北側は商業地、南側には大型ショッピングセンターがあり、付近に広がる田んぼは市街化調整区域として指定されているため、簡単には用途を変更できないという制約がある。

「既存の平面駐車場を立体化する」などの対策が考えられるが、すぐの対応は難しい状況だ。しかし、新幹線利用者にとっては深刻な問題であり、立体駐車場を含めた早急な議論が必要といえるだろう。

富山テレビ
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