麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の後継者とされる次男の幼少期の写真が、オウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」が使用する複数の施設で飾られていることが、FNNの取材で分かった。公安調査庁の担当者はアレフの現状に「今でも無差別大量殺人行為に及ぶ危険性とは全く変わりがないと認識している」と話す。
解散命令確定から29年…後継とされる団体の中でも最大規模
麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の隣に貼られているのは、後継者とされる次男の幼少期の写真だ。

この次男の写真が、オウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」が使用する複数の施設で飾られていることが、FNNの取材で分かった。

1995年に地下鉄サリン事件など、重大なテロ事件を起こしたオウム真理教。

解散命令の確定から29年が経った現在でも、オウムの後継とされる団体が複数存在している。
中でも最大規模とされる団体がアレフだ。

その施設の周辺を取材すると、一見普通の住宅に見えるが、入り口には防犯カメラが2つあり、警戒している様子が分かる。
公安調査庁「次男が2代目グルを自称」
横浜市の施設には2025年5月、公安調査庁が立ち入り検査に入った。

この時の検査で、松本元死刑囚の写真と、幼少期に撮影された次男の写真が並べて飾られていることが判明したのだ。

次男は現在31歳。
FNNは今から11年前、親族とともに次男を取材している。

親族(2014年):
ちょっと話したいことがあるんだけど。

次男(2014年):
あのね、私はあなたの弟のつもりでいるわけ。だから家族として話すつもりはあるけど、マスコミと話すつもりはない。

公安調査庁は、「次男が2代目グルを自称している」と明らかにしていて、公安審査委員会はその後、アレフの「役職員」と認定した。

また、公安調査庁は埼玉・八潮市にある教団施設内の祭壇に松本元死刑囚の写真が掲げられているのを確認している。

別の施設でも、松本元死刑囚に関連する資料が確認されていて、その影響力が色濃く残っているとみられる。

公安調査庁調査第一部第一課の小野寺聡課長は、アレフの現状について「麻原(松本元死刑囚)もしくは麻原(松本元死刑囚)の作った教義を今でも絶対のものとして使用しているという点も変わっていません。その点から見て、今でも無差別大量殺人行為に及ぶ危険性とは全く変わりがないと認識しています。そうした中でさらに、麻原(松本元死刑囚)から後継者と名指しされた次男の動向というのは、極めて厳しく見ていく必要がある」と話す。

公安審査委員会は、一連のオウム事件被害者への賠償金支払いにアレフが応じないのは、役職員である次男が方針を決定したとしている。
(「イット!」9月29日放送より)