いつの間にか客を呼ぶ“招き猫”に

そこからのかみちゃんは、体調も順調に回復。誰にでも優しい性格もあって、看板猫として活躍するようになった。お店に人々が見にきたり、声をかけたりするなど“アイドル”的な存在になったという。

「定期的に開催する手すき和紙制作などのワークショップには、かみちゃんを目当てに多くの方が参加します。お客さまにもごろんとお腹を見せて愛嬌たっぷりで、コミュニケーション能力が高い子だなと毎回感心しています」

海外のお客さんにも大人気
海外のお客さんにも大人気

以前はコロナ禍の影響で客足が落ちていたが、かみちゃんの影響もあって、今では国内外から多くの人が訪れているそう。

実は「かみちゃん」という名前は、和紙の「紙」、福の神の「神」、英語で「お入りください」という意味の「come in」。3つの言葉が、かかっているのだとか。

「まさにその名の通りになってくれました」と、篠田さんは笑顔を見せる。

地域や伝統工芸を“つなぐ”存在に

お店には、かみちゃんの毛が入った和紙のポストカードが並ぶほか、店のSNSでも、和紙で作った“衣装姿”のかみちゃんが登場。和紙の魅力を発信することにつながっているという。

かみちゃんへの期待は大きい
かみちゃんへの期待は大きい

「かみちゃんが、この地域や伝統工芸を“つなぐ”役割を果たしてくれるようになるのが、私の目標です。和紙や日本の伝統を知らない人にも、存在を身近に感じてもらいたいですね」

ひょんな出会いで始まった、篠田さんとかみちゃんとの縁。今では、さまざまな人とのつながりを呼ぶようになった。これからも“二人三脚”で店を盛り上げていく。

(画像提供:篠田佳穂さん)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(10枚)
プライムオンライン特集班
プライムオンライン特集班

FNNプライムオンラインのオリジナル特集班が、30~40代の仕事や子育てに忙しい女性に向け、毎月身近なテーマについて役立つ情報を取材しています。