24歳の若者が取り組む除草ビジネスが注目されています。

人口の減少が止まらない地域の暮らしを支える事にもつながるといいますが、活躍するのはある動物です。

元気いっぱい目の前の餌にまっしぐら。
食事に没頭するのは真っ白なヤギです。

神奈川・湯河原町にヤギ牧場を開いたのは、東京にあるベンチャー企業・株式会社むじょうの代表・前田陽汰さん。

大学在学中に葬祭事業を立ち上げ、2024年からはヤギ牧場も始めた24歳の若手経営者です。

そんな前田さんが取り組むヤギを使ったビジネスとは、ヤギによる草刈りサービス。

株式会社むじょう 代表取締役・前田陽汰さん:
ヤギを貸し出し除草するという仕事。

草刈り機とは違い、ヤギが草を食べてくれるので草の焼却処分も除草剤も不要です。

株式会社むじょう 代表取締役・前田陽汰さん:
鳴き声とかもそこまで気にならないし臭いもそんなに強い動物ではない。

すでに企業や個人との契約も始まっています。

その1つが血液検査などを行う臨床検査施設。

AIや自動化ラインを導入し1日数十万件の検査が可能な世界最大級の施設です。

この施設の中庭に試験的にヤギを導入して草刈りを任せてみることに。

巨大なビルに囲まれた空間で草を食べるヤギたち。

H.U.グループホールディングス株式会社 人事総務サービス部・小田嶋咲弥さん:
朝からずっと草を食べていて働き者で頑張ってくれている。

さらに、従業員が「いつも癒されながら出勤できてうれしい」「帰り際に“メーッ”て鳴いてくれて“おつかれさま”と行っている感じがして、すごく元気をもらっている」と話すなど、癒やし効果も。

前田さんが手掛けるヤギの除草ビジネス。

背景には日本が抱える課題への思いがありました。

それは地方で増えている耕作放棄地の問題。

ヤギを導入することで荒れた土地を整え、野生動物の出没対策にもつながるといいます。

株式会社むじょう 代表取締役・前田陽汰さん:
人口減少時代で全てのものが維持できない中、動物を放しておいて、完璧な除草はできないがその土地の可能性を消さない。可能性のある状態で維持する。

ヤギのふんは自然に分解されるため、今後は着火剤としての再利用も検討。

ビジネスの可能性をさらに広げていく考えです。