ようやく秋らしい陽気の日が増えてきました。食欲の秋と言うように食べ物がおいしい季節ですが、その秋の味覚も明暗が分かれていました。
福島流星 記者:
新鮮な魚がずらっと並んでいますが、その隣、こちら北海道で水揚げされたサンマ。大きくて立派です
秋の味覚の代表格・サンマ。
2025年は近年まれにみる豊漁で、サイズも脂乗りも抜群だといいます。
静岡第一水産・飯田和俊 取締役:
厚みがあるもの、横にしたときに首の後ろに盛りがあるもの。これは非常に脂がある。脂があっておいしい。奇跡のサンマと言われているが、本当にそのくらい
仕入れに訪れた寿司職人も2025年のサンマは「得に良い」と太鼓判を押します。
美代司鮨・渡辺和雄さん:
(Q.大きさはどうですか?)例年と違って倍くらいだと思う。すごく良い。お客さんがおかわりするくらいおいしいと言うので、本当に今年は当たり年
しかし…
福島流星 記者:
8月以降、豊漁が続いていたサンマですが、ここ最近その値段に変化が生じているといいます
豊漁が続いていたサンマですが、獲れ過ぎたことから全国さんま棒受網漁業協同組合は13年ぶりに漁獲制限を実施。
そのため一時期に比べると値上がり傾向ですが、それでも例年よりも安いことから関係者も期待を寄せています。
静岡第一水産・飯田和俊 取締役:
10月半ばくらいまで食べられるのではないか。季節も真夏から秋になってきて、これだけ肥えた魚が出ているので消費者の皆さんに食べてもらいたい
市内のスーパーで旬のサンマを楽しんだ消費者に聞いてみると。
買い物客:
脂がのっていておいしかった
買い物客:
去年より安く買いやすい。太っていておいしかった
こちらのスーパーでは、先週までのサンマ売り上げは前年比でなんと479%。
特売日には1尾150円台で販売し、多くの客が買い求めたといいます。
その一方で…
本谷育美アナウンサー:
今年サンマは豊漁でしたが、秋鮭や生のカツオなど、その他の秋が旬の魚は入荷が不透明な状況です
北海道産の秋サケは入荷が不定期に。
代わりに並んでいたのはチリ産の切り身です。
この時期だけ食べられる脂ののった“戻りガツオ”もまとまった量の入荷ができず、柵での販売ができない状況です。
田子重 西中原店・増田克己 店長:
旬のものをたくさん入荷して安く販売できれば店としてはうれしいが、今年はサンマがとれたので、あるものをしっかりと売るというのがスーパーとして必要なのでは
本谷育美アナウンサー:
果物コーナーには秋が旬のフルーツがずらっと並んでいます。どれもつやつやしていておいしそうです
実りの秋。
旬のブドウや梨、柿などの入荷は順調で、価格も平年並みです。
ただ、果物は天候の影響を受けやすいだけに不安はぬぐえません。
田子重 西中原店・増田克己 店長:
青果物の野菜・果物は天候などの要因が非常に大きく、値段の上下が高くなるものが多くなってしまう
たわわに実ったブドウ。
富士宮市の観光農園「富士山ぶどうランド」では1500平方メートルの敷地でピオーネやシャインマスカット、赤く大粒なクインニーナなど12品種を育てています。
2025年も多くの家族連れが色や大きさを確かめながらブドウ狩りを楽しんでいました。
来園者:
楽しかった。ブドウパーティー開けそう
来園者:
目移りしてしまい、おいしそうなものを選ぶのが難しかった
ようやく迎えた収穫シーズン。
しかし、ここに至るまでには大きな苦労があったといいます。
富士山ぶどうランド・佐藤文紀オーナー:
8月のお盆から9月の頭まで(雨が)降らなかったので、木がカラカラの状態になってしまって、降るときは200ミリが1時間で降り、線状降水帯のように一気に水を吸ってしまうので、どうしても粒が劣化や割れが起きてしまう
9月5日の台風15号に伴う大雨で、せっかく実ったブドウが割れてしまいました。
台風の前には1カ月近く雨がほとんど降らなかったことから、水が足りず完熟が遅れてしまう事態も。
1週間ほど後ろ倒し、9月12日にようやく開園にこぎつけました。
富士山ぶどうランド・佐藤文紀オーナー:
お客さんの笑顔を見ると頑張ってきて良かった。そういう気持ちが(心の)中からあふれてくる。非日常の体験を年に一度、秋に楽しんでほしい
富士山ぶどうランドは予約制で、10月下旬までブドウ狩りを楽しめそうです。
これから迎える本格的な秋ですが、2025年の秋の味覚は例年とは少し違った様子を見せています。