視覚に障がいがある女の子・かなちゃん。2025年はかなちゃんにとって大きな節目の年となりました。春から盛岡視覚支援学校(岩手県盛岡市)の小学部に通う中、成長続けるその姿を見つめました。
かなちゃん・7歳は、視覚に障がいがあります。
かなちゃんは、父・伸也さん、母・聡子さんと3人で暮らしています。父・伸也さんも視覚に障がいがあります。
父・伸也さんは「僕も色と光は分かるんですけど、僕よりちょっと分かっている感じがある」と話します。
かなちゃんは2025年、新しい生活をスタートさせました。この春、盛岡市にある視覚支援学校の小学部に入学しました。新入生はかなちゃん1人だけです。
(入学式)
学校関係者「かなちゃん、今日は本当におめでとうございます」
かなちゃん「ありがとうございます」
教室では先生が学校生活のことについて説明します。
先生「かなちゃん、時間割です。明日からのお勉強のことが書いてあります。点字もついてます」
帰り道でお友達と会いました。それぞれが背負う真新しいランドセルについて話しました。
友達「となりが茶色。これが白」
歳も一緒、ランドセルの形も一緒。でも、かなちゃんは友達とはちがう学校に通います。
2025年4月、学校生活が始まりました。算数の授業では図形の勉強です。丸、三角、四角。手で触ってその形を覚えます。
かなちゃん「丸。四角。」
先生「名前言いながら、ここにしまって」
かなちゃん「バイバイ丸さんまた遊ぼうね、一緒に友達でいよう」
入学から1カ月。かなちゃんは何度も校内を歩き、教室の場所もしっかりと覚えました。
かなちゃん「これから、1時間目のお勉強を始めます。礼」
この日は、数字を「点字」で勉強します。
小さな凹凸を頼りに、数字を読んでいきますが、すぐにはわかりません。
かなちゃん「これ?」
先生「点4個。分かるかな。それが7だよ。ちょっと自信なさげだな。初めてだもんな」
かなちゃん、根気強く点字と向き合います。
入学から3カ月が経った7月。見慣れない機械を隣に置いて算数の授業です。点字で書かれた数字をちゃんと読んで引き算をしていきます。
授業の途中では、点字のタイプライターで、かなちゃんはノートに字を書く代わりに、点字を打ち込みノートをとります。
小気味良くタイプライターで点字を打ち込むかなちゃん、文字もちゃんと合っていて、先生が褒めます。
先生「あってるねぇ」
指軽やかに、音高らかに、小さな点の集まりは確かな成長の証です。
目が見える人とやり方はちがうけれど、学びの喜びに違いはありません。
入学から半年。両親にとってその成長は目に眩しいばかりです。
いつだって自分らしく。かなちゃんの学びの日々は続きます。