ポスト石破は誰になるのか。5人の候補者は連日、公開討論会などで論戦を繰り広げています。

24日、関西テレビの「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、候補者が「『とりあえず総裁』というポジションを得て、もめないような政治をやると感じた」と話し、『とりあえず総裁(になるの)は違う』と指摘しました。

また、今から「野党との協議をするべきだ」と持論を述べました。

■「自民党が過半数を持っていた時代の思考がずっと残っている」

まず橋下氏は「自民党が過半数を持っていた時代の思考がずっと残っている」と5人の討論内容を一蹴。

【橋下徹氏】「自民党が過半数を持っていた時代、その時の思考方法がずっと残ってるのかなと思いますね。ここでいくら『私はやります』って言っても、野党がそれ同意してくれないと何も実現できないんですよ。

少数与党ですから、野党との関係抜きにして、自民党だけで総裁を決めようっていうのは過半数を維持していた政権時代の思考がそのまま残ってしまって、やりたいこと話すのはいいけれども、それをどういう枠組みでやるのかということまで踏み込むのが重要なんですよね」

■『とりあえず総裁になる』は「違う」と指摘

また、橋下氏は『とりあえず総裁(になるの)は違う』と指摘します。

【橋下徹氏】「『とりあえず総裁』は違う。選挙で受からないとしょうがないのはありますよ。だからと言って、自民党員とか自民党の国会議員によく思われるようなことばっかり言っていたら、自分のやりたいことはできないです」

橋下氏の政治家時代は「あえて反対の声が出るような政策を出した」と話します。

【橋下徹氏】「僕が政治家時代は、あえて反対の声が出るようなこと(政策)をどんどん出していました。というのは、みんなが反対するようなことを異論があるようなことを突破しようと思えば、民主国家では選挙を使うしかないんですよ。

僕は例えば大阪府立大学と大阪市立大学を一緒に合わせるなんて言ったら、OBから猛反対くらいました。でもそれで選挙で通ったから、府立大・市立大の統合になって、森ノ宮にキャンパスが開かれる。

カジノもそうですよ。それから公立高校をどんどん統廃合していく問題、あれももう山ほど反対の声があったけれども、選挙で通ったから(進めた)。いろんな異論があることを通そうと思ったら、議論して合意を得るっていうことはきれいごとではあるんだけど、最後は選挙で突破するしかないんですよ」

【橋下徹氏】「(総裁選立候補者の)5名の方の政治家の姿勢は、これからの日本社会は何かやろうと思えば絶対反対の声が出てきますけども、そういうことをやらないんだろうなと。

あえてみんなから反対の声が出ないようなところを、『とりあえず総裁(になる)』というポジションをえて、この総裁という自民党総裁首相をつつがなくやってから、あんまりもめないようにしていくような政治をやるんだなと僕は感じました。

1度出した政策を修正して引っ込めるのは、僕は全然構わないと思います。でもそうだったら、あえて賛否両論あるけれども、これをやりたいんですっていう、大激論になるようなものを出していくのが僕の政治家像」

■自民党総裁選であっても「野党との議論を同時にやらなきゃいけない」

さらに、自民党総裁選であっても、「野党との議論を同時にやらなきゃいけない」と主張。

【橋下徹氏】「自民党総裁選なんだけれども、自民党議員と自民党国会議員だけに訴えかけるんじゃなくて、野党にも訴えかける。公開討論は自民党の中でやってますけれども、野党とも協議をやって、あえて賛否両論あるようなことを野党とやるべき。意見違うところたくさんあるわけですから。

激しい議論もありながら、意見の違いはあるけれども自分はこれをやりたいから選挙を通して下さいっていうのがある意味、今の国難の状況突破していくやり方だと僕は思います」

(Q:今、この時期に他党との議論は表立ってやりづらいのでは?)
【橋下徹氏】「だから野党と全部協議していくんです。まだここって(1党に)決めなくていいわけですよ。今、何の協議もしていないじゃないですか。それは総理、総裁が1人でやるんじゃなくて、チームでやるんだったら、それぞれの候補者の元にはチームがあるんで、それぞれが野党と協議してるところを僕は見たいですけどね」

■「石破さんがやっていたことに関して誰も批判してない。だったら石破さんでいいじゃないですか」

さらに橋下氏は、5人の候補者が石破氏への批判がないことにも疑問を持っているといいます。

【橋下徹氏】「今回は自民党と自民党員の方にしか向いてないわけ。でも、これ自民党総裁になって総理になったとしても、そこから野党の協議だったら、石破さんと同じ状態なりますよ。石破さんがダメだっていうことで、今回自民党総裁選になったんじゃないんですか?」

そう指摘した橋下氏は、「石破さんがやっていたことに関して誰も批判してないんですよ。だったら石破さんでいいじゃないですか」と指摘し、「彼らは今の段階で野党とある程度安定政権の枠組みを作っておかないと、総裁になった後に石破さんと同じ状態なりますよ。何のための石破政権の交代だった?」と述べました。

■各候補者がの主張が1年前からどのような点が変化したか

ここで、各候補者がの主張が1年前からどのような点が変化したか、それぞれの主張をまとめました。

小林氏:世界をリードする国へ→「頑張れば報われる」という実感を
茂木氏:「増税ゼロ」の政策推進→国民の求める結果を出す
林氏:実感できる経済再生→経験と実績で未来を切り開く
高市氏:経済成長→「戦略的な危機管理投資で」経済成長へ!
小泉氏:政治改革→インフレ対応型経済運営

(Q:小泉氏に対して、選択的夫婦別姓の政策を言わなかったという記者からの指摘があった)
【橋下徹氏】「(その政策を)本気でやりたいんだったら、選挙で問うて、多数を取っていくのが僕は政治のエネルギーだと思ってます」

(Q:保守層からの票のために政策を引っ込めたのか?)
【橋下徹氏】「でもこれで1回引っ込めて、当選してからもやったらそう嘘つきじゃないですか。でもこういう議論あるときに最後突破するのは、選挙で訴えて、これで支持されなかった負けたらしょうがないやというのが僕の政治家像なんですけど。今みんな総理、総裁のポジション取りに行っちゃってるよね」

(Q:小泉氏の出馬会見などを見ると、周りのチームがしっかりしているなと印象も受けるが)
【橋下徹氏】「でもチームがしっかりしているなんてのは裏返すと、その人達の声でがんじがらめになってしまう」

(Q:もし総裁になったら、自分のやりたいことはやりづらい?)
【橋下徹氏】「できないんじゃないですか。それは小泉さんだけじゃなくて高市さんも言ってたことを取り下げたりしてるのがね。結局、石破さんが言ってることとほとんど変わんないです。ふた開けてみたら」

最後に橋下氏は、「今この時代は何を言っても反対の声が出る」とし、「突破していく政治が必要」だと話しました。

【橋下徹氏】「今のこの日本の社会においては、何言ったって反対の声が出る。3割ずつぐらい何言ったって反対の声が出るけども、トータルで51%の支持が得られれば、突破していくんだっていうような政治が今必要なんじゃないですか。今もうみんなに批判を受けないような話になっちゃっているからね」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年9月24日放送)

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