鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。
【野川諭生キャスター】
本日も広島電鉄の駅前大橋ルート開業に合わせて新しくなったメロディー、第3弾です。ついにフィナーレを迎えます。
それでは…
前回は広島電鉄千田車庫で新しいメロディーの制作者にかもとりかさんと一緒に…
≪出発チャイム♪≫
電車の中で、生まれ変わった出発、そして乗り換えチャイムを堪能しました。
今回は原爆ドーム前電停と終着駅でのチャイムを鑑賞します。
【広島電鉄 電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「続いてどうしましょう?原爆ドーム」
≪旧 原爆ドーム前チャイム♪≫
「やはりちょっとこの電停のね、イメージは特別なものがありますよね」
「私も奥野さんも、『このままでよくない?』という話をしたんですよ。鎮魂の意味がこめられている鐘の音っていう、もう大切なものだからと思ったら、広電社内の先輩方が『戦後80年、未来に向けて走っていくメロディーにしてほしいんだ』っておっしゃってくださったんですよ。『ええー!』と思ったんですけど、この広島電鉄って、被爆後3日で(線路を復旧して)走り出してるんですよ」
「被爆後3日で、一部区間で運転を再開して、町の人たちをどれだけ勇気づけたかというエピソードをご存知の方も多いと思いますけれども」
「だからものすごいこの町の今につながる一つなんですよね。礎の1つ。じゃあ『社歌じゃない?』と思ったんですよ、広電の」
「社歌?」
「社歌!だから広電本社のメロディー。広電が走って、作ってきた街なんだからと思って」「やはりそことは分けられないと思った?」
「分けられない。分けられないし、『なるほどね』って思えるかなと思ったんですよね、皆さんが」
原爆ドーム前電停到着チャイムのヒントになったという広島電鉄の社歌は、ホームページで聞くことができます。
≪広島電鉄社歌≫
『あかつきの轍はひびく 胸に満つ生きるよろこび われらゆく 東に西に 輝きて進む広電』
【広島電鉄 電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「紙屋町からね、原爆ドーム前って歩いてもすぐの距離感だから、長くも作れないし…なので一部分だけなんですけど、それを感じて頂きたいなと思って作りました」
「それでは原爆ドーム前停留場の、到着時の新しいメロディーでございます」
≪新 原爆ドーム前チャイム♪≫
「社歌ですね」
「社歌なんです。社歌の一番最後の『進む広電』っていうところを鐘の音にしたんですよ。
もう色んな教会の鐘を聞いて、鐘の音を作るところからスタートした」
「はあー。そして、またその社歌のね『どのフレーズを切り取るかっていうのを迷った』っていうのを話されていましたが、『進む広電』悩みに悩んだんですけど、これがすべてだと思ったんですよね。今もそうじゃないですか。未来に向けて進んでいく広電だしって思ったので」
「ですから、被爆直後に市民を勇気づけた広電。そして戦後80年、未来へと話がありましたけど、これから先も進んでいく広電ということで、やはりここのフレーズにしたということですね。広電としても非常に強い想いがこもったんじゃないかなと思うんですけども?}「どんなメロディーがいいのかとか、明るい、暗い…もう本当にすごい意見が割れて、全然決まらなかったんですけど、やっぱり社歌に込められたメッセージ性というところを、社内でも共有できているというか。被爆80年に向けて、もう社歌で行くって決めた時からスッと決まったっていう印象ですね」
「特別な8月6日。その前後の物語っていうのを感じる上でも、本当に大切な一曲ができましたね」
「はい」
最後は、終点の直前に流れる終着駅チャイムです。
≪旧 終着駅チャイム♪≫
これが旧チャイムでした。
【広島電鉄 電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「『もう着いちゃうのか』とか、そういった時に流れるメロディーでしたけども。これもリニューアルされたと」
「リニューアルしました」
「聞いてみましょうか」
≪新 終着駅メロディー♪≫
「おー!なんかこう、しっとり包み込むような世界観もありつつ、最後に曲が上がって終わっている」
「そう」
「これはでも終着駅の前っていうところも、奥野さん開発秘話的なところで言うと?」
「オーダーとしてはやっぱり、寝過ごされる方がどうしてもいらっしゃるので、そういった方をちょっと『ハッ』とさせるような音を入れて欲しいというのは、オーダーしたんですけれども」
「オーダーの一つ一つが『うーん…』とか『何?』みたいな事が多いわけですよ、結局。
起こさなきゃいけないけど、そんなにが『ガツーン』とかもでいけないわけじゃないですか。
ありとあらゆる音をね、どの位聞いたかね?びっくりするぐらいの数聞いたんですよ」
「ちょっとウトウトしてるところに心地よい風が吹いてきて、バーと目覚めるような…」「そんな感じに優しく起こしたいんですけど、ちょっと高めのこう…チャララ」
「おお!おお!おおー!とこうなるね。はあー」
かくして駅前大橋ルートの開業に合わせて、新たなメロディーが13曲採用されました。
その初日、広電ファンからうれしい反応があったそうです。
【広島電鉄 電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「当日の夜に全部の。この13曲を(ユーチューブで)弾いている方がいるんですよ」
「もうその日聞いたものを?」
「聞いて、組曲っぽくつなげて弾いてくださってる方いらっしゃるんですよ」
「一曲の様にこう作ると」
「でもそれ、嬉しいですよ。なぜなら“RPG”だと思ってるから」
「でも本当にRPGというところで言うとね、一番大きなところで“ドラゴンクエスト”とかね、それこそゲーム音楽で組曲ね」
「そうなんですよ」
「オーケストラが演奏する機会もあるわけですけど」
「いや、どうしよう。え、何、何?すぎやま先生の次?にかもと先生?」
「『すぎやまこういち』さんも、『にかもとりか』さんも全部ひらがなでね?」
「本当だ!えー繋がってる。ちょっと広響行ってきていいですか?」
新線開業に、メロディーも一新。
広電の新たな歴史が始まりました。