きょう=24日、自民党総裁選の公開討論会が23日に引き続き行われました。
総裁選には、小林鷹之元経済安保相(50)、茂木敏充前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進次郎農水相(44)が立候補しています。
24日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんは、「小泉農水相は「『突破力』を示してもらいたかった。44歳でそれなら出なくても良かったのでは」、「高市前経済保安相は『選挙受かってから(靖国)参拝するのはごまかしになる』と発言。
小泉農水相や高市前経済保安層が”独自色”を封印していることを受け、「現状維持型の政治になるのでは」と指摘しました。
■小泉氏、高市氏は”独自色”封印 靖国参拝も明言避ける
小泉氏は前回とは違い”背景”なしでの出馬会見となり、前回主張していた「選択的夫婦別姓の導入」「解雇規制の見直し」は含まれませんでした。
また、高市氏は前回の総裁選で主張していた「首相就任後も靖国神社へ参拝」することは明言せず、ことし5月に主張していた「食料品の消費税ゼロ」は公約に入っていません。
きょう=24日行われた、日本記者クラブ主催の討論会で「靖国参拝」について問われた高市氏は「戦没者慰霊の中心的な施設。いかに戦没者を慰霊するかなどについて適切に判断しないといけない。前回も総理大臣になっていないのに、言う必要はなかった。適宜適切に判断しないといけない。外交問題にされるべきことじゃない。お互いに国のために命をささげた人に敬意を払い合える環境づくりに力を注ぎたい」としました。
■林官房長官は「外しはしない」と橋下氏
また、FNNの取材によると、総裁選で最有力なのは小泉氏、次いで林氏、高市氏と続いているということで、林さんの人物像について「詳しく知らない」という声がスタジオから上がりました。
林氏について橋下さんは…
【橋下徹さん】「安定性はあると思いますよ。やっぱり実務をしっかりやってきて、要職、大臣として重量級の大臣をきちっと務められてますのでね。だから、『外しはしない』っていう感じです。だからあと、国民の皆さんがどう考えるかですよね。
いまのこの時代、突破していかなきゃいけない。いろんな議論があって反対論があったとしても、突破していかなきゃいけないっていう政治を求めるのか、もうそういう”ややこしいこと”はやめて、決められた中できちっとやっていく安定(路線)で行くか」
■小泉氏「『突破力』を示してもらいたかった」と橋下氏
また小泉氏に対して記者からは「他の候補者はペーパーを見ないのに、小泉さんがペーパーを見ている。慎重にしないといけないということだと思うが、そんなに慎重でどうするんですか」と厳しい質問。
これに対して小泉氏は「年齢でなく、責任ある人は適切な慎重さは兼ね備えるべきだ。『紙を読んでいる』という指摘があるのは承知しているが、だから自分の言葉ではないということでなく、大臣公務の合間を縫って自分なりに手を加え、チームで考えて、最終的に正確に私の思いがどれだけ伝えられるかに重きを置いたつもりだ」と答えました。
このやりとりに橋下氏は...
【橋下徹さん】「それだったら44歳の(若さ)で出なくてもよかったような気がしますね。44歳でまだいくらでもチャンスがあるんだったら、『突破力』を僕はあと数回は示してもらいたかった。こういう安定感、慎重にやるっていうのは、もう僕の年ぐらい、僕よりも上、56歳超えてぐらいからでもいいんじゃないのかな」
【青木源太キャスター】「となると、失言のリスクもあるわけじゃないですか。
前回は実際にこの討論の中で、ちょっと支持が落ちていった」
【橋下徹さん】「負けたとしても1回、2回、3回、4回挑戦したらいいんじゃないですか。ここで引き下げてしまったら、僕はもう小泉さんのこの2つ、『選択的夫婦別姓』、『解雇規制の見直し』、これだけじゃないですよ。これを引き下げたということはありとあらゆる領域において、『突破しなきゃいけない課題はもうやらないんだな』というふうに感じてしまいました」
■高市氏「選挙受かって参拝したらごまかし」と橋下氏
【橋下徹さん】「あと高市さんも色々言うんだけれども、僕は政策面では別に反対するところないんですけど、唯一反対のところは『靖国参拝』なんですよ。僕は生番組で高市さんと議論してたときには、『首相になっても行く』ってことを明言されていたのでね。僕が心配に思うのは、いまの日本の政治と自衛隊の関係って、総理の指揮で自衛隊が動くような仕組みに変わったんですよ、(そういう形を)作ったんですね。
そうすると誰がトップになるかはものすごく気になるわけです。僕は太平洋戦争についての評価は色々議論はあるけれども、あの時の動き方・作戦は僕は大反対です。
戦略なき玉砕、それから軍と住民が混在する、最後はもう負けそうになったらもう司令部が自決した後、住民をほっぽり投げる。こういうことは絶対やらないよと僕は総理に言ってもらいたいんですよ。
であれば、靖国にそういう人たちが祀られているんであれば、僕は一般の兵士には手を合わせてもいいんだけれども、総理になった以上、『あの太平洋戦争と同じことはしない』と示して欲しいから、靖国神社参拝は反対だったんだけど、高市さんは中国・韓国のことを気にせず行くって言ってたのに、急にまたここでトーンダウンしてるから」
【青木源太キャスター】「『外交問題にされるべきことじゃない』ときょう発言がありました」
【橋下徹さん】「だから高市さんにしても小泉さんにしても、バーンと言ってたことをマイルドにしたっていうことは、『安定した現状維持型の政治』になるのかなと思います」
【関西テレビ 江口茂解説デスク】「少数与党であって、高市さんについては公明党も心配な声を出していますし、少数与党なのでなかなか言いたいことも言えない状況になっているのかもしれない」
【橋下徹さん】「それだったら修正したらいいと思います。小泉さんみたいに。総理になってもそれできませんって言えばいいのに、ごまかしはよくないと思う。選挙受かってから参拝するなんてのはごまかしになっちゃう」
■橋下氏「野党連携に踏み込んだ『安定政権』アピールを」
橋下さんは「もしも自分が総裁選の候補者ならどのように戦うか?」と聞かれ、「野党連携・連立について踏み込んだ『安定政権』のアピール!!」と答えました。
【橋下徹さん】「もうこれ1択ですよ。政策についてはもう差はないです。自民党だけでいくら言ったって実現できるかどうかわかりません。だから野党としっかり協議の姿をもう国民に見せながら議論をして、『これはのめる、これはのめない』と、そういう議論をやりながら、私だったら少数与党だけれども、野党の協力を得て、言ってることを実行できますよってことを見せるのが僕は一番アピールになると思うんですよ」
【青木源太キャスター】「いまのところ『連立の拡大』ということを、ほとんどの候補が言ってるだけです」
【橋下徹さん】「でも野党の反応は何も出てないでしょ。いまこれ自民党だけでいろんなこと言ってても実現できないんですから。野党が同意してくれないと。
『安定政権』ということを出した方がいいんじゃないのか。というのは政策について、何の尖った政策の違いもない」
【青木源太キャスター】「あまり差異がないんじゃないかと言われてる中で、10月4日の投開票までに、その辺りも踏み込んでくる候補者が出てくる可能性もありますか?」
【橋下徹さん】「政策に差がないんだったら、『実行力の差』を見せればいいんですよ。野党との距離感の差を。この野党と組むなんてことは決めれないけれども、各候補者は維新とか立憲民主とか国民民主党とどういう距離感なのか、こういう議論をやる人なのかっていうところで差を示さないと、政策だけでの差はもう出ないですよ。
政策を野党にぶつけて、議論する状況見て。人間同士会えば、波長合わないなとかわかるんだろうけど。そういうのを見せてもらいたいんです、野党との距離を」
今後野党との連携にも候補者がどこまで踏み込んでくるのかも、総裁選の焦点となりそうです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年9月24日放送)