3位は横井きな結。昨季は練習中に選手と衝突し、左足首のくるぶし辺りの骨を骨折してしまうアクシデントがあった。それでも「全日本に出たい」という強い気持ちでケガをおして西日本選手権へ出場。しかし、あと一歩届かなかったという悔しい経験をした。

ショートで姉・ゆは菜の衣装を着て滑る横井きな結(中部選手権)
ショートで姉・ゆは菜の衣装を着て滑る横井きな結(中部選手権)

あれから1年、横井は再び中部選手権の舞台に帰ってきた。ショートは、2季前にも滑っていた『ヴァイオリン・ミューズ』。 

「さらに上にあがっていくために雰囲気を変えたい」と、姉の横井ゆは菜さんが引退したシーズンに使用していた衣装を着用した。

「練習してきた成果、本来の力を発揮できた」と3つのジャンプを全て着氷させ、3位で折り返した。

復調をアピールした横井きな結のフリー(中部選手権)
復調をアピールした横井きな結のフリー(中部選手権)

フリーでは復調をアピールする好演技を披露。7つのジャンプを全て降り、3つのスピンでは最高評価のレベル4を獲得する。それでも演技後は悔しそうな表情を見せた。

「もう少しでノーミスだったのに、という悔しさもあった。それでも去年はシングルジャンプや2回転ジャンプまでしか跳べなかった中でここまで戻せたのはホッとした」

「もう一度全日本の舞台へ」と、強い思いを胸に挑む今季。さらなるレベルアップを誓い、次戦は西日本インカレ選手権へ挑む。

14度目の全日本を目指す大庭雅のフリー(中部選手権)
14度目の全日本を目指す大庭雅のフリー(中部選手権)

4位は14度目の全日本出場を目指す、大庭雅。

フリーで滑ったのは、自身一人で初めて振り付けたという『映画「きみに読む物語」』。「スケート人生の中でいつか滑ってみたい」とずっと思っていた大好きな映画のようで、8月サマーカップで突如披露した。

だが当時は「競技用として滑るには難しい部分がある」と自身も"幻のプログラム"になるかもしれないと言っていたが、そこから滑り込みを行ったことで今シーズンこのプログラムで行くことを決意。

今大会では「全体を通してやりたい演技ができた」と本人も手応えを感じたという。

今年全日本へ出場となれば、2010年の村主章枝さん以来、女子シングル史上最年長記録を更新する。「まだまだのびしろしかない」と進化し続けるベテランに注目したい。