大分県大分市では21日、平和の大切さについて考えるイベントが開かれました。
ここで紹介されていたのはデジタル技術を活用し、戦争の記憶を継承しようとする取り組みです。
◆TOS刀祢優月アナウンサー
「タブレットをQRコードにかざすと、戦争で海に沈んでしまった機体をタブレットを通して実際の大きさで目の当たりにすることができる」
AR=拡張現実の技術で、タブレット画面に表示されたのは鹿児島県の海底に沈んでいる旧日本軍の偵察機です。
◆参加した高校生
「3Dになっていると本当にそこにあったんだという感じがして、壊れているのを見ると痛む、心が」
こうしたデジタル技術によって、戦争の記憶の継承に取り組んでいるのが佐伯市出身で東京大学大学院の渡辺英徳教授です。
渡辺教授は21日、大分合同新聞社が開催したイベントに登壇しました。
◆東京大学大学院・渡辺英徳教授
「一か所にたくさんの人たちの顔が集まっていて、クリックをするとズームしてその人の話を読むことができる」
渡辺教授が作成したこちらの地図。80年前に原爆が投下された広島と長崎で、当時、被爆者がどこにいてどのような体験をしたのかを見ることができます。
◆東京大学大学院・渡辺英徳教授
「若い人たち向けに平和や戦争について考えるきっかけを提供できるというところがテクノロジーを活用する意義だと思う」
戦後80年、戦争体験者は年々、少なくなっていますが、平和のために、戦争の悲惨さを最新技術で伝える取り組みが進められています。