【野川キャスター】
「就職活動は売り手に有利な状況が続いています。22日は高校生を対象にした就活イベントが広島市で開かれています」
合同企業説明会には県内を中心に11の企業がブースを出展。
担当者が高校生に対して仕事内容などを熱心に説明していました。
広島労働局によりますと、今年3月時点で県内の高校を卒業した人の求人倍率は、過去最高の5.05倍となり人手不足などを背景に売り手市場が続いています。
一方、就職後1年以内に離職した人は、大卒の人よりも高卒の方が高い傾向にあり、企業とのミスマッチが課題となっています。
【野川キャスター】
「実際の仕事の内容を体験できるブースもありまして、こちらの企業のブースでは蛇口の取り付けの体験が行われています」
今回のイベントでは実際に仕事を体験することで業務内容をより深く知ってもらい、高校生の進路のミスマッチを防ぐ狙いがあります。
【高校3年生】
「普段やらないのでいい体験だった。実感したら楽しくてやりたいと思えるのでいい」
「(企業のことが)何となくしか分からなかったのが、こういう作業をするというのが分かりやすくなった」
【光元設備工業・岡本理恵さん】
「建設業のイメージが湧きにくい。生活には関係している職種だが、もっと身近に感じてもらえたら」
<スタジオ>
ここからは取材を担当した野川キャスターです。
【野川キャスター】
高校生の採用活動は売り手市場となっていて、企業は具体的な待遇の向上に力を入れています。
今回のイベントを主催した株式会社ジンジブの調査によりますと、今年の春に採用した社員の初任給と比べ、来年の初任給を上げる予定だと回答した企業はおよそ7割に上ります。
その引き上げ金額は1000円から4999円と答えた企業が最も多く、次に1万円から1万4999円となっています。
初任給を上げる理由は「物価上昇に伴い社員の生活を支えるため」「社員の定着のため」「高卒採用の応募を増やすため」だということです。
高校生をどのように確保し、定着できるか。
企業側の試行錯誤が続いています。