ハンチング帽の傍聴者 再三の注意に「却下」と拒否
宮城県栗原市議会で9月17日、傍聴席にハンチング帽をかぶって入室した男性が、議長から脱帽を求められたにもかかわらずこれを拒否し、傍聴席から退席させられる事態となった。市議会が傍聴規則に基づいて傍聴者に退席を求めたのは初めてだという。
17日は9月定例会の一般質問が行われており、栗原市内に住む77歳の男性が傍聴席にハンチング帽をかぶって入室。これに対し、議長が再三にわたり脱帽を求めたが、男性は「却下」と声を上げて拒否。別の傍聴者が説得を試みたが、口論に発展し、最終的に事務局職員に促されて退席したという。
栗原市議会の傍聴規則では、帽子やコート、マフラーなどの着用は禁止されている。ただし、正当な理由がある場合には、事前に議会事務局へ申請し、議長の許可を得ることで着用が認められる。
今回の男性は、申請を行っておらず、体調などの特段の事情も確認されていないという。
議会事務局によると、同じ男性は今年7月にも帽子を着用したまま傍聴しており、当時も議長が注意を促したが、そのまま着帽して傍聴を続けたという。この際は議長判断で退席までは求めなかったが、今回、繰り返しの規則違反で対応が変わったとみられる。
栗原市議会事務局の國井浩局長は「規則に従っていただくのは当然のことであり、議会の秩序や品位を守るために傍聴規則がある」と強調したうえで、「体調などやむを得ない理由があれば、申請によって柔軟に対応している」と述べた。