大学の多目的トイレなどで女子学生を盗撮した罪に問われていた信州大学元准教授の男に長野地方裁判所松本支部は「学生が信頼していた気持ちを裏切り、ゆがんだ性的欲求を満たそうとした手口は卑劣」として懲役1年10カ月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
3人の女子学生の裸など盗撮
性的姿態等撮影などの罪に問われていたのは、信州大学の元准教授・有路憲一被告(51)。
起訴状などによると、有路被告は2022年6月に信州大学の女子学生に対し、「妻が着なくなった服を譲る」などと話し、長野県松本市の信州大学松本キャンパス内にある多目的トイレで試着を勧め、あらかじめ設置していた小型カメラで着替え中の様子を盗撮。

2022年9月下旬には、女子学生2人を京都旅行に誘い、宿泊施設の浴室や脱衣所に設置した小型カメラで着替えや入浴の様子を盗撮したほか、2024年6月には、同様の手口で長野県佐久穂町の宿泊施設で、女子学生を盗撮したとされている。
これまでの裁判で有路被告は、「間違いない」と起訴内容を認めていた。
「ゆがんだ性的欲求を満たそうと…」
9月17日の判決公判で地裁松本支部は、「学生が信頼していた気持ちを裏切り、ゆがんだ性的欲求を満たそうとした手口は卑劣」などとした一方、反省の態度を示しているとして懲役1年10カ月・執行猶予4年の判決を言い渡した。

裁判官が「被害者に与えた傷はこの先も消えることはありません。そのことを胸に刻んで生きてください」と声を掛けると、有路被告は「はい」と答えた。
弁護人は、「控訴はしない」としている。
大学「対策強化を重ねる」
判決を受けて信州大学は、「学内にセキュリティ強化対策チームを設置し、学内施設の点検の強化、学生・教職員へのコンプライアンス教育の徹底など、対策強化を重ねてまいります」としている。
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