9月は台風シーズン。村田光広気象予報士が台風進路図の正しい見方を解説します。
 
まず、進路図の中心部にある×印は「現在の中心位置」です。
 
そして、中心位置の周りの赤い円は「暴風域」で、秒速25メートル以上の暴風になっている範囲。その周りの黄色い円は「強風域」で、秒速15メートル以上の強風になっている範囲です。
 
台風の中心は、この円のどこかに進みますが、その確率は70%です。中心線はあくまでも予報円の中心を線で結んだものであって、台風の中心がここを進むというものではありません。

◆予報円の大きさ=台風の大きさではない

予報円が大きいと台風が大きくなるようにも見えますが、台風の大きさとは関係がありません。
 
予報円が小さいときは進路が定まっている場合で、予報円が大きいときは進路が定まっていない場合、ということになります。
 
さらに、予報円の周りの赤い表示は「暴風警戒域」です。台風の中心が予報円を進んだ場合に、秒速25メートル以上の暴風域に入る可能性のある範囲です。

これらの情報を踏まえたうえで、17日の気象衛星の画像をみていきます。
 
フィリピンの近海に熱帯低気圧が2つあり、台風へと発達する可能性があります。高気圧が張り出しているので、日本には近づく可能性は低いですが、今後の情報に注意して下さい。
 
台風が近付いてくると、どこに上陸するのか、台風の中心がどこを通過するのかばかりが気になりますが、離れていても大雨や暴風になることがあります。


◆台風から離れていても…大雨特別警報

2013年9月16日には、大型の台風18号が愛知県に上陸しました。台風の中心から離れた県内でも大雨となり、大雨特別警報が発表されました。

命を守る行動が必要となった場合に発表される特別警報は、この年の8月から気象庁が運用を始め、全国で初めて福井県に発表されました。

12年前の台風は、愛知県に上陸し東に進みました。台風の中心付近だけでなく、日本海側にもらせん状に活発な雨雲が広がり大雨となりました。
  
この雨雲は、ときには線状降水帯となって現れ記録的な大雨になることもあるのです。
 
台風の進路にかかわらず、台風情報があるときは決して油断してはいけません。

福井テレビ
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