戦後80年の慰霊の旅を続けられている両陛下。12日、その締めくくりとなる被爆地・長崎県へ。今回は長女・愛子さまも訪問されました。

12日正午すぎ、天皇ご一家は長崎空港に到着し、出迎えた県知事らと挨拶を交わされました。両陛下が長崎を訪問されるのは即位後初めて。愛子さまの長崎ご訪問も初めてです。
空港の外には大勢の人が詰めかけていました。

ご一家は、集まった人たちに笑顔で手を振り、空港を後にされました。
長崎県民は「優しい笑顔でうれしかったです」「素敵でした」などと語りました。

歓迎の列は、ご一家が休憩のために向かわれるホテルの前にもできていました。ご一家が到着された際には歓声が上がりました。

戦争の記憶を若い世代に受け継いでいくことを大切にされている両陛下は、2025年4月に激戦地・硫黄島を、6月には沖縄、広島をそれぞれご訪問。

愛子さまを伴っての慰霊の旅は、沖縄に続いて2回目となります。

12日午後3時半ごろ、ご一家は長崎市の爆心地公園へ。ゆっくりと「原爆落下中心地碑」に進むとトルコギキョウなどの白い花束を捧げ、深く拝礼されました。
説明を行った鈴木市長によると、愛子さまからは原爆投下で建物が破壊された浦上天主堂について質問されたと言うことです。

長崎市・鈴木史朗市長:
愛子さまから最初に「被爆した直後も、信者のみなさんは浦上天主堂で、祈りを捧げられたのですか」という趣旨のご質問がありました。私の方から「信者の皆さんは被爆直後も自ら傷ついていても、信仰の心を忘れずひたすら神に祈りを捧げたとうふうに聞いております」と、お答え申し上げました。
地元・長崎の人は「感激ですね。涙が出てきちゃう」と感銘を受けていました。

その後ご一家は、長崎原爆資料館へ。皇后さまと愛子さまが資料館を訪問されるのは今回が初めて。
ジオラマの前では、山に囲まれた地形ゆえ、平地に被害が集中したなどの説明を受け、質問される場面もありました。

それってあれですね、大浦天主堂がそういうことだと…
館長:
そうですね…
愛子さま:
交通手段などが寸断されてしまったなかで、救援物資とかは…

このあとご一家は、2024年、ノーベル平和賞を受賞した被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中重光代表委員などの被爆者らと懇談されました。
慰霊の旅のしめくくりとなる、今回の長崎ご訪問。13日はご一家で、原爆養護ホームを訪問されます。
(「イット!」9月12日放送より)