ポケモンカードの悪質な転売行為が問題となった、マクドナルドの「ハッピーセット」。転売目的の客が商品を大量に買い占めたり、商品を食べずに景品のみ抜き取って捨てたりする行為が問題となり、マクドナルドは謝罪する事態に追い込まれた。
ハッピーセットを大量に購入し、転売して10万円の利益を得たという“転売ヤー”を独自取材。その転売の手法と身勝手な言い分とは…。
■初日に在庫切れも ルール無視の転売ヤーによる買い占め

8月上旬、早朝からマクドナルドには長蛇の列が。
マクドナルドは8月9日から3日間、ポケモンとのコラボ第一弾として「ポケモンカード」が2枚ついてくるハッピーセットを発売。
すると初日から客が押し寄せ、店内のカウンター前は身動きがとれないほどに。
初日に在庫切れとなる店舗が全国で続出した。
その裏にあったのが…“転売ヤー”による買い占め。
いわゆる“転売ヤー”とは、定価で購入した商品をネットなどで、高値で転売し利益を得る人のこと。
マクドナルドは「1人5セットまで」とするも、どう見てもそれ以上、購入する客が。
ルールを無視した「転売ヤー」による買い占めが横行したため、異例の早さで売り切れとなったのだ。
■景品だけ抜き取り…無残な姿のハッピーセット 転売対策不十分で企業が謝罪

さらに、転売ヤーによる問題はもう1つ…。
道路脇には、ポケモンカードだけが抜かれ、無残な姿となったハッピーセットが捨てられていた。

こうしたフードロスの問題も浮き彫りとなった。
転売ヤーによる迷惑行為を予見し、マクドナルドは8月7日、大手フリマサイト「メルカリ」と、悪質な転売行為に対しては、利用を制限するなどの対策を行うと発表。
一定の効果が期待されたが…。
記者リポート:メルカリには、多数のポケモンカードが出品されていまして、中には100枚セットが18万5000円のものもあります。
マクドナルドは、転売対策などが不十分だったとして、謝罪する事態に追い込まれた。
■“転売ヤー”を取材 服や靴などの転売で月に20万円稼ぐ

この騒動を引き起こした“転売ヤー”とは、一体、何者なのか…。取材班は、ハッピーセットを大量に購入し、ポケモンカードを転売した人物に接触した。
九州地方に住む大学2年生のAさん。服や靴などの転売で、月に20万円ほどを稼ぐ中、狙いをつけたのが、ハッピーセットのポケモンカードだった。
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:海外の人気がすごいじゃないですか、ポケモン。もうけられるなって思ったすね、率直に今回。友人を使って70~80セットは、いった(買った)と思います。
Aさんは、販売価格の4倍~6倍の値段でポケモンカードを転売したという。
■カードショップでは“買い取り対象外”に

そもそもなぜ、ここまでポケモンカードは人気なのか。堺市にあるカードショップを訪ねた。
カードショップONIGIRI 片山美由紀オーナー:『イーブイ』というポケモンがすごく人気で、進化先のキャラクターが入っているので、キャラの人気もあり、箱自体がすごく高くなって。ことしに入ってからポケモンカード自体が“転売ヤー”に目をつけられてしまった。
この店では悪質な転売を防ぐため、マクドナルドのポケモンカードは買い取りの対象外にしている。
■友人に協力してもらって80セット購入 10万円の利益

そもそも、Aさんが転売を始めたきっかけは何なのか。
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:一番、はじめやすそうと思ったからです。
(Q.そこまで稼ぎたい理由は?)
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:そのお金で友達と旅行をしたり、飲みに行ったりできるし、最近ハイブラ(ハイブランド=高級ブランド品)が欲しくなってきたので買ったり。
商学部で学んでいる知識をいかし、転売で稼げるようになったというAさん。
今回はマクドナルドで働く友人に協力してもらうなどして、ハッピーセットおよそ80セットを購入した。
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:(友達に)『全部買い占められるなら買い占めるから、朝全部売って』って。でも、ちゃんと全部食べたっす。友達と一緒に朝から、ぜいたくしました。
ほとんどをフリマアプリですぐに転売し、少なくとも10万円以上の利益を得たという。
(Q.(ポケモンカードが)手元にきたときの思いは?)
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:うまいなぁ~って。まじでおいしいなぁ~と思って。
(Q.1人あたり5セットの制限があるが?)
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:あれは機能していなかったです。全然ループできた(何回も買えた)。マックがあれは悪いと思う。“神イベ”でした!神イベントです!もう一回やってほしい…。
■「転売批判する時間があれば自分で買え」「対策しなかった企業が悪い」と“転売ヤー”

さらに、「転売した自分ではなく、対策をしなかったマクドナルドが悪い」と批判するAさん。
今後も「転売をやめるつもりはない」と話し、取材の最後カメラに向かって、こう言い放ちました。
(Q.Aさんにとって転売は?)
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:人生を楽しむための手段にすぎないですかね。
(Q.転売を批判する人については?)
九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん:批判する時間があったら、自分で買う努力をした方がいいと思います。それくらいしか欲しいと思ってないということじゃないですか?その程度なのに、買えなかったから(転売を)批判するのはどうかと思う。努力したら買えるので、本当に。
■「転売防ぐのは難しい、企業側が規制を」と弁護士

専門家は「法律で転売を防ぐことは難しく、企業側の対策が必要だ」と話す。
ロイヤーズ・ハイ 田中今日太代表弁護士:直接的に法律で規制するのは、今の現行法上、難しい。であれば販売企業側が、自主的に規制をかけていくことが大事。炎上や風評のリスクがあると、消費者を裏切ることになるので。
後を絶たない悪質な転売行為。欲しい人の手に行き渡るよう対策が急がれる。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月18日放送)
