ことしは戦後80年です。熊本に残る戦争遺産の企画展が玉名市立歴史博物館こころピアで開かれています。
【くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク 高谷 和生 代表】
「〈戦争したくない〉という気持ちを強く持たせるための宣伝ビラ。伝単が落とされて、だいたい3日のうちに8割方の都市に米軍が空襲を行う。徐々に日本人は信じるようになってきた」
この企画展は玉名、熊本に残された戦争遺跡とその出土品などから、〈戦争と平和〉について考え、次の世代に継承しようというものです。
戦時体制下という非日常に置かれた人々がどのように暮らし、それが子どもたちの目にどう映ったのかなどを紹介しています。
【玉名市立歴史博物館こころピア 田熊 秀幸さん】
「玉名、熊本に残された資料を通して、戦争を経験した人々の記憶や記録に触れていただきたいと思いまして、この展示を企画しました」
玉名から出征した青年が台湾の基地から家族へ宛てた手紙があります。
父親には「今度行く所は大したことはない」と安心させる言葉をつづっています。
妻には「戦死するかもしれない。娘が大きくなったらこの手紙を読ませてほしい」と託しています。
【玉名市立歴史博物館こころピア 田熊 秀幸さん】
「普通の人が、戦争という非常事態の中で、普通でいられなくなったという現実をぜひご覧いただければと思います。そして、平和の大切さと戦争の悲惨さに向き合っていただければと思います」
【来館者】
「おじたちが特攻隊や戦争で亡くなった。だから、この催しを聞いた時に〈行かねば〉と突き動かされて来ました。おじたちが呼んでいるような気がするんです。よかったです、来て。父は口が重いというか、あまり話したくなかったんでしょうね。生き残ってきた身として。〈だから今はこういう展示物を見て知るしかないかな〉と思って、少しでも寄り添うことができたらいいかなと思ってます」
残された資料が物語る、人それぞれの戦争。企画展『戦後80年たまな・くまもとの戦争遺産次世代への継承』は9月21日(日)までです。