9月15日は敬老の日です。
大分県内には65歳以上の高齢者が約37万人4000人いるとされていますが、元気な方がたくさんいます。
そのうちの1人、70代で大分市に和菓子店を開いた女性を取材しました。

大分市猪野にある和菓子店「あずき屋」です。

◆「あずき屋」店主 薬師寺豊子さん(73)
「生活のすべてをこの年になってまんじゅう屋に懸けている」

朝早くから開店に向けて準備を進めているのは店主の薬師寺豊子さん(73)。
会計事務所などで事務職として働き続け、2023年勤め先を退職した薬師寺さん。
選んだのは、のんびりとした余生ではなく、夢への挑戦でした。

◆「あずき屋」店主 薬師寺豊子さん(73)
「そもそも私は(菓子を)作ることが好きなのでずっと趣味でやっていたが、それが本職になるというところではいいかなと思って一念発起して飛び込んだ」

10年ほど前から夢だったという薬師寺さん。
2023年、現在の場所で営業していた和菓子店が閉店したことを知り、挑戦することを決めました。
その年の夏ごろから具体的な準備を開始。
400万円ほどの開業資金は貯金をあてて、退職した翌月の2024年1月、「あずき屋」を開業しました。

とはいえ、慣れないことばかり。
1年目は赤字。
はじめは苦労もしましたが、今では、薬師寺さんの優しい人柄と、どこかほっとするその味にひかれて店には多くの客の姿が。

◆客
「すごくパワーをもらう、自分のやりたいこと、夢に向かって一生懸命やっている姿にも憧れる」
「昔ながらのお饅頭で安いし美味しいし温かいしもう言うことなし。すごく優しい方で何事にも笑顔で応えてくれるようないい方」

看板商品の1つが「よもぎまんじゅう」。
皮に練り込むヨモギを杵築まで採りにでかけている、こだわりの逸品です。

薬師寺さんの挑戦を家族も支えています。
店頭の接客を担当している長女の平野優希さんです。

◆長女 平野優希さん
「母の頑張りが実ってうれしい。皆さんおっしゃるのが作り手の愛情がすごく入っていると。1日でも長く、頑張ってほしい、頑張りすぎてもだめだが、頑張ってほしい」

自分のやりたいことをやれている今が何より楽しいし、客に喜んでもらえた時が何よりうれしいと薬師寺さんは笑顔で話します。

◆「あずき屋」店主 薬師寺豊子さん(73)
「もう私が元気で働かせてもらって、皆さんから喜ばれて、もうこんな生活はお金に変えられないものを得ていると思ってそういうつもりでやっている。そんなに無理して突っ走るのではなく、もうできるだけ長く、細くでも続いていったらいいかなと」

テレビ大分
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