「ポスト石破」の有力候補の1人とされている小泉農水相が、自民党の総裁選に出馬する意向を固めました。

国会記者会館から、フジテレビ政治部・伊地知英志記者が中継でお伝えします。

小泉氏は13日午前に地元の神奈川・横須賀市で支援者と面会し、意見を聞いた上で出馬する意向を表明したい考えです。

小泉農水相:
政治家として、よって立つところは生まれ育った地元です。(地元の)皆さんの声を伺いながら、最終的に対応し、判断していきたい。

小泉氏は来週後半に出馬会見を開く方向で調整していて、すでに2024年の総裁選で支援に回った岸田派の一部や、菅副総裁のグループを中心とした陣営が水面下で動き始めています。

2024年の総裁選では3位だったこともあり、小泉氏の周辺は「今回は負けるわけにはいかない」と意気込んでいます。

一方、43人の議員が所属する麻生派のトップ、麻生最高顧問のもとを候補者が訪れる「麻生詣で」も活発化しています。

茂木前幹事長が麻生氏のもとを訪れているほか、12日午前中には小林鷹之議員が10分ほど面会しています。

小林氏は、12日は首相官邸を訪れ石破首相に出馬の報告も行っており、スタートダッシュの早さも注目を集めています。

ここからはフジテレビ政治部・高田圭太部長と最新の情勢を見ていきます。

まず顔ぶれは小泉氏、林氏、茂木氏、小林氏、高市氏の5人に固まりつつありますが、今のところ正式な出馬会見を行ったのは茂木さんだけで、来週以降どうなっていくか注目です。

――出馬会見の順番は重要なのか?

それぞれの陣営の戦略があると思います。今回、茂木氏はいち早く表明して政策を打ち出し、一番にアピールするというメリットをとり、小林氏もそれに続く形で正式ではないが意向を表明しました。

一方で早くやることでアピールはできるが、対立勢力から攻撃材料や批判材料を探され、ネット上などでもネガティブキャンペーンを張られる恐れもあります。

そういったことも踏まえて、現時点で小泉氏や林氏、高市氏は慎重にタイミングを伺い、後から表明することでより冷静な、その場の状況に応じた表明の仕方ができるというメリットを見ていると思います。

――現時点では誰が先頭を走っているのか?

なかなか難しいです。ただ、永田町でも前回の総裁選の結果と世論調査を気にする人が多いです。その点でいえば、党員票に関しては前回の党員票で1位だった高市氏が世論調査でも今回強いです。

そして、小泉氏も党員票や世論調査の数字は高いので、この2人はそこそこ党員票をとるのではないかという見方が永田町でも結構あります。

――石破首相が前回の総裁選で獲得した108票の党員票は今後どうなっていく?

一定程度割れるとは思います。ただ、石破首相を支持していた人が石破政権を支持していたと仮定するならば、現職閣僚の小泉氏や林氏に入りやすい要素はあると思います。

前回も何となく石破首相に入れた人も党員の中でいるので、現時点で石破票の行方はまだ見通すのは早いかと。

――議員票はどうなるのか?

議員票はより難しいです。議員票もそれぞれ陣営には集まっていますが、態度未定の議員はどのように野党と連立するのか、どのような経済政策を行うかを見極めるので、誰に勢いがあるのかを言うのは早い状況だと思います。

――派閥もなくなり、どこに行くのか決めかねている人も多い?

昔は派閥の親分が言えばこの人に、という動きでしたが、今はそういった時代ではなくなっています。

政治ジャーナリストの田崎史郎氏にも影響力のある4人の首相経験者がどう動くか聞くと、
さまざまな人脈や議員同士の貸し借りがあるので、彼らが動けば何十人かが動くのではないかという話でした。

菅氏は前から小泉氏を応援しているので、麻生氏と岸田氏がどう動くのかが焦点だとしています。
旧岸田派だからといって、必ずしも林氏を支持するわけではなく、小泉氏を支持する可能性もあるということでした。

田崎氏も指摘しているように、菅氏は小泉氏の後ろ盾なので、ほぼ間違いないです。
岸田氏は、旧岸田派の林氏を官房長官として支援はするが、小泉氏の陣営にも旧岸田派の陣営がいっているので、小泉氏と林氏の間ぐらいでどうするのか。

石破氏も石破政権の政策を継続してほしいので、石破内閣の閣僚の中でどうするのかというところだと思います。

そして、今唯一の派閥である麻生氏は、まだ態度を示していません。
本人も決めていないようなので、最終的に麻生氏がどう判断するか、あるいは表明するかにも議員票は大きく左右されると思います。

――前回の総裁選から1年しかたっていないが、今の段階で1人決めるのは難しい?

それはとても言える状況ではありません。
前回も小泉氏が一時期本命と言われていて、その後失速したこともありました。

やはり今回自民党が選挙で負けたという中で、誰がつまずくか、誰が伸びるかというのは予断を許さない状況です。

政治ジャーナリストの田崎史郎氏にも同じ質問をしたところ、総裁選や世論調査で人気が高く、菅氏をはじめ国会議員に固まった支持がある小泉氏を軸に動いているが、「現段階では分からない」という答えでした。

小泉氏の政策発表は前回と違ってくるのか、それとも前回を踏襲するのかは永田町も非常に注目していることは間違いないと思います。

フジテレビ
フジテレビ

フジテレビ報道局が全国、世界の重要ニュースから身近な話題まで様々な情報を速報・詳報含めて発信します。

政治部
政治部

日本の将来を占う政治の動向。内政問題、外交問題などを幅広く、かつ分かりやすく伝えることをモットーとしております。
総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。