敬老の日を前に「人生100年時代幸せに過ごすためのヒント」と題してお伝えします。
9月11日は、高齢者が健康に生活できるよう40年以上にわたり運動指導を続ける女性から健やかに暮らすためのヒントを学びます。

「前には、そこには一万円札があると思って。よいしょー!」

ジョークを交えて高齢者に笑顔で運動を指導する女性。
日南市に住む健康運動指導士の日吉眞理子さん74歳です。
健康運動指導士は、一人一人の心身状態に応じて安全で効果的な運動を指導する専門家。

日吉さんは、およそ40年前から県内で高齢者向けの筋力向上トレーニングや、介護予防のための運動指導などを行っています。
この日は、日南市の高齢者施設「南風の丘」でのレッスン。
5年前から続く日吉さんの運動教室は大人気です。

(総合福祉施設 南風の丘 河田真弓理事長)
「ほぼ参加者は変わらずどんどん増えている。日吉さんが担当される週の教室には定員いっぱいの人が集まる」

(参加した人)
「ここを動かしなさいって部位を教えてくださるから。今度は自分がそれを日常生活で取り入れてより健康を保つ」

(参加した人)
(Q日吉先生はどんな人?)
「素晴らしい方よ。すごく良い方向に物事を見て教えていただけるので気持ちがいい」

(参加した人)
「大好きです」

(参加した人)
「健康の神様です」

元々中学校の体育教師だった日吉さん。
結婚を機に教師を辞め、夫の家業を手伝いながら、1991年に健康運動指導士の資格を取得しました。
厚生大臣の認定事業として1988年に創設された健康運動指導士。
運動に関する正しい知識を身につけたいという思いから、勉強したそうです。

(日吉眞理子さん)
「成人病が生活習慣病に(名称が)変わったころ、国が健康にシフトを切った。」

資格を取り、県内各地の病院や保健所などでリハビリの手伝いや体操など健康に暮らすための指導を続けてきた日吉さん。
しかし…

(日吉眞理子さん)
「そんなことをしていた時に、夫が突然亡くなったので…」

結婚して14年目の夏、夫・康雅さんが癌で天国へと旅立ちました。

(日吉眞理子さん)
「全部自分が悪いから主人が亡くなったんだ、なんで早く病気に気が付かなかったとか思うじゃないですか。なにも考えられないし、どうやって生きていこうかと」

悲しみに暮れる日吉さんに教員時代の先輩や、地域活動で知り合った人からある誘いが舞い込みました。

「生目台にフィットネスクラブを作る。そこで運動を指導しないか。」

(日吉眞理子さん)
「(夫の)康雅さんに支えてもらったんだから、運動の道に行きなさいって言われた。そうやって好きな道で生きていくのがご主人は、一番うれしいと思うよって言われて。本当に人のおかげですね」

運動が繋いだ縁によって、再出発をした日吉さん。
フィットネスクラブでは、企画室長として、運動のプログラムなどを作成・指導、その後、健康づくりに関するNPOも立ち上げました。
現在は、日吉さんの活動を受け継ぐ後継者の育成を、日南市、国富町、西米良村などで行っています。

(日吉眞理子さん)
「サポーターさんがちょっとでも増えてくれれば(私と)同じ考えの人が広がれば、高齢者に年を取ることを恐れることはないと。生活を快適にできる方法はあるよ。それを一番知ってもらいたい」

夫の死を乗り越えて、得意だった運動を仕事に活動する日吉さん。
「人に恵まれてきたの」と感謝の気持ちを胸に大切に繋いできた縁が、74歳となった日吉さんをはつらつと輝かせています。

(日吉眞理子さん)
「お顔は下を見ないように人生前向きです」

テレビ宮崎
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