福島流星 記者:
検察組織のトップが示した異例の談話をめぐり、国を提訴するため袴田巖さんの弁護団がいま静岡地裁に入ります
1966年、当時の静岡県清水市で一家4人が殺害された事件で、袴田巖さん(89)は死刑判決を受けましたが、やり直しの裁判を経て2024年に無罪が確定しました。
これを受け、畝本直美 検事総長は談話を発表し、控訴を断念する考えを明らかにしましたが、判決については「到底承服できない。控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」との見解を示していました。
訴状によりますと、弁護団はこの談話に対し「無罪を言い渡されたものを犯人呼ばわりすることは名誉棄損にあたる。無礼にも程がある」などとして、国に対し700万円あまりの支払いと共に最高検のホームページに謝罪広告を掲載するよう求めました。
弁護団・小川秀世 団長:
無罪判決が出たにも関わらず袴田さんが犯人だと言うことが許されるのか。検察庁の最高機関である検事総長が堂々と発表すること自体が本当に許しがたい。怒りですね
袴田さんの姉・ひで子さんは。
袴田さんの姉・ひで子さん:
個人的にはともかく、職業柄あのように言わざるを得なかったと思っている。これから後に続く人たちがいるので弁護士には頑張ってもらいたい
一方、最高検は「訴状が届いておらずコメントすることはありません」としています。