化粧品メーカーで働いていた女性が自殺したのは、社長のパワハラが原因だとして東京地方裁判所は、会社側が1億5000万円を支払うなどとする内容の決定を出しました。

この決定を受け、遺族が11日に会見を開きました。

里実さんの姉:
里実が生きているうちに…謝っていただけたらよかったなって…。

化粧品メーカー「ディー・アップ」に2021年4月新卒で入社した里実さん。

社長から「お前大人をなめるなよ」「世の中でいう野良犬っていうんだよ」などと人格否定発言を繰り返し受けた末、翌2022年にうつ病と診断され、休職を余儀なくされました。

その後、里実さんは自宅療養中に自殺を図り、意識が戻らないまま約1年後に25歳で亡くなりました。

労働基準監督署は2024年に社長のパワハラと死亡との因果関係を認め、労災認定しています。

遺族は、会社と社長に賠償を求めて提訴。

裁判はその後、民事調停に移行し、東京地裁は9日、「自殺したのは社長のパワハラが原因」だとして会社側が謝罪し、1億5000万円を支払う内容の決定を出したのです。

決定には社長の辞任も盛り込まれていて、双方、異議申し立てをせず確定しました。

里実さんの姉:
里実がいない今謝られても、社長からの心からの謝罪なのかいまだに受け入れられない。

ディー・アップは「亡くなられた元従業員とご遺族に対し、衷心よりお詫び申し上げます」と謝罪。

また、10日付で社長が退任したことを明らかにしました。

そして再発防止に向け、社内体制や職場環境の見直しと改善に取り組むとしています。

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