震災と原発事故は、福島のエネルギー戦略の転換点にもなった。
福島県浪江町のなみえ創成小学校で行われたのは、水素で走る燃料電池スクールバスから電気を受け取り、お湯を沸かしてスープを飲む体験だ。
「避難した先でも、車から電気を取って、例えば暑かったら扇風機を回したり、何かお湯が飲みたかったら、お湯を沸かしたり、そういったこともできる車になっています」と町の職員が子どもたちに説明する。
福島県は、原発事故のあと、「原子力に依存しない社会づくり」を掲げ、2040年頃には県内エネルギー需要の100%まで再生可能エネルギーを導入することを目標にしている。
浪江町でも2020年に再エネを利用した世界最大級の水素製造施設が完成し、この小学校でも、国内で初めて水素で走るスクールバスを導入。バスからは最大9キロワットを給電することができ、「いざという時」の活用も期待される。
4年生の児童は「災害の時とか、皆がピンチの時に活用して欲しいです」と話した。
震災から14年半、新たな取り組みも着実に進んでいる。