去年3月、熊本市の繁華街で従業員の女性3人を包丁で刺して殺害しようとした罪に
問われている元店長の男の裁判員裁判が熊本地裁で始まりました。男は8日の初公判で「間違いございません」と起訴内容を認めました。
起訴されているのは熊本市中央区草葉町に住む元飲食店店長、奈良 公明 被告(31)です。起訴状などによりますと、奈良被告は去年3月、自身が店長を務めていた熊本市中央区下通の飲食店で、包丁2本を使って当時19歳と21歳の女性従業員3人の顔などを何度も刺し、殺害しようとした罪に問われています。
8日の初公判で奈良被告は「間違いございません」と起訴内容を認めました。
その後の冒頭陳述で検察は「奈良被告は、従業員3人から退職する旨を告げられたことで怒り、犯行に及んだ。3人は緊急手術を受けて死の危険があった」と指摘。
一方、弁護側は起訴内容については争わないとしたものの、「被告は事件直前、9カ月間休みなく働いていて、精神的に追い詰められていた。また、自ら警察に通報していて自首が成立する」と主張しました。
午後からは証人尋問が行われ、精神科医が「1カ月の残業時間が230時間を超え、
過労死ラインを大幅に超過。長期間にわたる過重労働が心理状態を悪化させ、極端な思考に至った」と述べました。
9日は被害者の心情陳述が行われ、判決は9月17日に言い渡される予定です。