熊本市の繁華街で従業員の女性3人を包丁で刺して殺害しようとした罪に問われている男の裁判員裁判です。検察は被告に懲役20年を求刑しました。
求刑を受けたのは、熊本市中央区草葉町に住む元飲食店店長、奈良公明被告(31)です。
起訴状などによりますと、奈良被告は去年3月、自身が店長を務めていた熊本市中央区下通の飲食店で、女性従業員3人の顔などを包丁2本で何度も刺し、殺害しようとした罪に問われています。
これまでの裁判で奈良被告は起訴内容を認めています。検察は「およそ1分間に合計30回あまり、手加減せずに急所をめった刺しにしていて、3人は生死の境をさまようほどだった。事前に包丁を購入するなど一定の計画性があり、強固な殺意に基づく」として懲役20年を求刑しました。
一方、弁護側は「被告は過労によって特殊な心理状態になり、極端な思考になっていたが今は脱却している。殺意は一時的なもので、反省している」として懲役8年が相当であると主張しました。
その後の最終陳述で奈良被告は「一生かけて償っていきたい。申し訳ありませんでした」と涙ながらに頭を下げました。判決は9月17日に言い渡される予定です。