市議会から不信任を突き付けられた静岡・伊東市の田久保市長は10日、中島議長と面会し、議会の解散を通知する書面を手渡した。議会の初日の不信任決議によって審議がストップした事を理由として挙げた。
40日以内に市議選が行われる事になる。
前議長「大義なき解散に怒りしかない」
記者リポート:
午前9時55分を回り、市長が出てきました。議長室へと向かっていきます。

学歴詐称問題で市議会から不信任を突きつけられた静岡・伊東市の田久保眞紀市長。
「辞職・失職」か、それとも「議会の解散」か、決断のリミットが11日に迫る中、市長が選んだのは。

午前10時前、田久保市長は市議会の中島議長らが待つ議長室へ。
そして書面を読み上げた。

伊東市・田久保眞紀 市長:
令和7年9月10日、議会を解散するため、通知をいたします。

「議会を解散する」書面を手渡された中島議長は、この形相…。

田久保市長は一礼すると、足早に立ち去った。

伊東市議会・中島 弘道前議長:
この大義なき解散につきまして、本当に私ども怒りしかありません。多くの市民も納得のいくものではないと思います。
その後、取材に応じた田久保市長が、解散の理由を説明した。

伊東市・田久保眞紀 市長:
大変重要な議会においての審議や採決が議会初日をもって放棄されてしまったという事実は事実として冷静に受けとめ、判断し、これは改めて広く市民の皆さまに信を問うべきであると。
“議会は初日に不信任案を可決し、審議を放棄した”と説明した田久保市長。
報道陣からは「辞職という選択肢はなかったのか」との質問が…。

伊東市・田久保眞紀 市長:
解散・辞職という2つの選択肢があった。当初から結論ありきで進めていたわけではございませんので。

質問が続く中、会見は打ち切られた。

記者:
市政が滞っているのはどなたの責任ですか??
議会解散を受け、失職した議員は猛反発。

伊東市議会・井戸 清司 前議員:
議会を悪者にするような発言をしながら、議会解散というのは、まったく憤りを感じる以外、何事でもないです。

伊東市議会・青木 敬博 前副議長:
(田久保市長は)“自分ファースト”だなという感じ。

伊東市では40日以内に市議選が行われることに。前回の選挙では約4500万円の税金が使われた。

また、新たな議会が再び市長の不信任案を可決した場合、田久保市長は失職。
市長選が行われることとなり、市政の混乱が年明けまで続く恐れもある。
市民「言ったことを平気で約束を破る」
市長の下した“議会解散”の決断に伊東市民は…。
伊東市民:
はっきり言って市長さんに辞職していただきたかった。税金も使われるし。

伊東市民:
学歴の詐称だとか、市民の人って何も言ってないですよ、そんなことどうでもいい。とにかく言ったことを平気で約束を破るでしょ、そこなんですよ。
一方で、田久保市長を擁護する声も…
伊東市民:
全員が全員、田久保さんの非難してるけど、市議会の人たちの方が自分(として)は非難されるべきであって。

混乱はいつまで続くのか…。

伊東市民:
一度選ばれた市長ですし、選んだ市民の責任もあると思うので、仕方ない出費かなと私自身は思っています。
(「イット!」9月10日放送より)