夏の甲子園でベスト4に進出した県立岐阜商業高校が、岐阜へ凱旋しました。選手たちの奮闘に地元は歓喜し、飲食店や企業も特別な企画で応援の思いを表現。花火大会の開催も決まり、熱戦の余韻が今も地域に広がっています。(2025年8月29日放送)
■店主も驚きと喜び…思わぬ来店で看板まで作成
8月22日、県立岐阜商業高校の選手たちが地元岐阜に帰ってきました。
キャプテン・河崎広貴選手(崎はたつさき):
「皆さんの応援が選手の力になりました。ベスト4という結果は、前にいるメンバーだけではなく、県岐商全員でつかみ取ったものだと思っています」

横山温大選手:
「久しぶりにこの景色を見て、懐かしいという感じ。岐阜県が1番良い場所と改めて思いました」
岐阜に戻ってきた横山選手は、チームメイト3人と県岐商から車で約10分の場所にある中華料理店「麺工房 弾」を訪問。ねぎ旨辛ラーメンに、餃子、チャーシュー丼、コーラ、そして杏仁豆腐を注文したといいます。

『麺工房 弾』の店長:
「節制とか大丈夫?と聞いたら『もう引退したので大丈夫です』とペロッと」
横山選手たちは店に何度か来ていたそうですが、店主はこれまで全く気付いていなかったそうです。嬉しくて一緒に写真撮影し、すぐにSNSにアップ。

店長:
「(選手が来店した)その日に作って、飾らせてもらっています」
さらに、急遽看板を作り、翌日から店頭に設置しました。

店長:
「ここまで“心が震えるような体験”は初めて」
熱戦の余韻が今も地域に広がっています。
■創業100年の花火メーカーが球児へ“特別な贈り物”
創業100年の岐阜の花火メーカー「村瀬煙火」は、県岐商の球児たちに花火をプレゼントすることを決めました。

花火と言えば、岐阜では毎年8月に「ぎふ長良川花火大会」が開催されます。
村瀬功専務:
「(球児たちが)『今年は(花火が)見られないのが残念』と放送の中で流れていたので、『もしよければどうですか』とXで呼びかけたら声がけを頂いた」

選手たちに花火を見せたいという思いをXに投稿したところ、関係者から「ぜひ」と返事があり、県岐商野球部限定の花火大会の開催を決めました。
打ち上げに必要な許可を関係各所に取り、近日中の開催を目指し、急ピッチで花火玉の準備を進めています。

村瀬専務:
「頑張ったご褒美じゃないですけど、花火を見て少しでも楽しんでもらえたらいいな」
■宿舎ホテルでの思い出…支配人と交わした心温まる交流
興奮冷めやらないのは、地元だけではありません。
『関空泉大津ワシントンホテル』の舩冨公久支配人:
「もう1試合見たかったと思うと、涙があふれていた」
県岐商が宿舎にしていた大阪のホテルの支配人は、ナインの食事が印象的だったと話します。
舩冨支配人:
「みんなこんな形(山盛り)でご飯を盛っている。800グラムがベースにあるようです」
また、特に印象的だったというのが…。
舩冨支配人:
「1人の選手が『パスタが食べたいです』とキラキラした目で言ってくるわけですよ。では何とかしましょうと」
どうやら、キャッチャーの小鎗稜也選手がパスタを注文したようです。
舩冨支配人:
「『やった』みたいな。高校生らしい爽やかな可愛らしい笑顔で喜んでくれました」
22日間滞在した県岐商ナインは、最終日にホテルスタッフに感謝の言葉を贈りました。
キャプテン・河崎広貴選手(崎はたつさき):
「家族のように接してくださったおかげで、最高のパフォーマンスをすることができました。私たちはこれで終わりですが、1,2年生は甲子園に絶対帰ってくると思うので、その時はよろしくお願いします」
さらに、寄せ書きサインもプレゼント。現在、サインボールとともにロビーに飾ってあり、宿泊客の目を楽しませています。

舩冨支配人:
「『感動をありがとう』に尽きる。3週間本当にお疲れ様でした」
甲子園の熱気は冷めても、県岐商ナインの物語はまだ続いています。