白猫は臆病、難聴な子も

全身真っ白の白猫は、臆病な子が多いかもしれません。というのも全身を白くする遺伝子は内耳の形成に影響を及ぼし、難聴にすることがあるからです。

白猫は臆病な子が多いかも(画像はイメージ)
白猫は臆病な子が多いかも(画像はイメージ)

音が聴こえにくい、もしくは全く聴こえない猫が臆病になるのは当然のこと。音で異変を感知できないからです。

ちなみに白猫にはオッドアイ(片目が青、片目が黄)の猫もいますが、この場合、よりメラニンの少ない青い目の側の耳が難聴になることが多いようです。

このように1つの遺伝子が毛色だけでなく他の部分にも影響することがあるので、毛色と性格の関連性が研究されています。

黒猫は意外とフレンドリー

最後は黒猫。

黒猫は友好性も群居性も高い(猫密度が高い地域での暮らしになじみやすい)というデータがあります。黒猫はミステリアスなイメージがありますが、意外とフレンドリーなんですね。

黒猫は意外とフレンドリー(画像はイメージ)
黒猫は意外とフレンドリー(画像はイメージ)

実は世界中の黒猫はある1匹から始まったのでは、という説があります。

2003年に発表された研究で、世界中から集めた黒猫57匹のDNAを調べたところ、全員がDNAの同じ場所で変異を起こしていたのです。他の部分の変異でも全身が黒くなるのに、全員同じなのは共通の祖先がいることを示唆します。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

クロヒョウやクロジャガーなど猫以外の動物にも全身が黒くなる変異は起きていますが、DNAには黒猫ほどの一致はありません。

その祖先の黒猫がフレンドリーな性格だったとしたら、黒い毛色といっしょにフレンドリーな性格も引き継いでいるのかもしれませんね。

富田園子
富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所所属。
幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物の行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。哺乳類動物学者の今泉忠明氏に師事。現在は7匹の猫と暮らす。東京在住。