神戸市中央区のマンションで会社員の片山恵さん(24)が殺害された事件。逮捕された谷本将志容疑者(35)は8月20日、マンションで片山さんの胸などをナイフで複数回刺し、殺害した疑いがもたれています。

谷本容疑者は片山さんが家に帰るまで、約50分もの間、後をつけていたとみられます。

この事件についてきょう(30日)生放送のテレビ番組に出演した弁護士の橋下徹氏は、「厳罰厳罰というが、やる人間はやる。(再犯の)危険性だけで処罰も近代国家の刑法ではダメ。執行猶予期間中の保護観察を増やすために、“報酬のある保護司制度”を整備するほか、せめて執行猶予期間中は対象者はGPSを付けるべき」など持論を交え意見を述べました。

これまでの捜査関係者への取材で、谷本容疑者は事件の3日前にも片山さんとは別の女性の後をつけていたと見られることがわかっています。

このほか、3年前にも今回と同じ神戸市内で、似た手口の犯行で女性にけがをさせ、傷害やストーカー規制法違反などで懲役2年6カ月、執行猶予5年の有罪判決を受けていました。

また、5年前にも面識ない女性へのストーカー規制法違反で罰金の略式命令を受けていたことがわかっています。

今回襲った疑いがもたれている片山さんについても「全く知らない人」と話しているという谷本容疑者。なぜ同じような事件が起きていたにもかかわらず、防ぐことができなかったのか?コメンテーターの弁護士・橋下徹氏は30日放送の関西テレビ「ドっとコネクト」で次のように事件について話しました。

■橋下氏「危険性だけで処罰をやると独裁国家…あくまでやったことに対する罰が原則」

【橋下徹氏】「凶悪な犯罪をする人は、どれだけ『厳罰』というようなルールがあったとしてもそれはあまり効き目ないです。もうやる人間はやる。だから『厳罰、厳罰』って言っても止まらないんですよ。

それともう1つ、大いに議論があると思いますが(谷本容疑者が)3年前起こした事件でも”再犯の可能性がある”ってことが判決の中にも入っているんです。『何とかできないのか?』『どこかに拘束するとか出来ないのか?』などと思うんですけど。

今、日本の刑法や西側諸国の近代国家の刑法は“その危険性だけでは処罰できない”ってのが大原則なんですよ!危険性だけで処罰をやると独裁国家なんかはそれ(独裁国家の刑法)で『こいつ危険だ!あいつ危険だ』ということで、どんどんそれで拘束するから…危険性(で処罰など)は駄目ですよ。だから、やったこと(犯罪)に対する罰ですよっていうのが原則なんです」

と法の現状を述べた上で、犯罪の抑止の難しさについての意見を話しました。

【橋下徹氏】「では、“もう一度罪を犯すような人だとわかる”ような時にはどうしたらいいの?となるんですけど、こうした場合に保護観察という制度があるんです。

しかし現状は、産経新聞の報道によるとこういう執行猶予が付いた案件(判決)のうち、保護観察が付いたものが6%です。少年事件の場合にはほとんど保護観察が付くんですが、では、保護観察を何でもかんでも付ければいいのかというと、さっき言ったように危険性があるだけで保護観察を付けるとなると、社会的な制裁が強すぎるんじゃないかと(という見方がある)。

それと保護司が足りないんです、これも問題。保護司の方は無償でやってるボランティアなんです。だから(この問題は)全部トータルで考えないとダメ。

『危険性があります…』『じゃあ保護司を付けるんだ』ということになれば、ちゃんと報酬を払った保護司制度をやらないと…何でもかんでも保護観察ってこともできないのも現実なんです」

■橋下氏「もうGPSを付けるべき…少なくとも執行猶予期間中は」

このように話した上で、次のように持論を述べました。

【橋下徹氏】「もうGPS(人工衛星を利用し位置情報を得るシステム)を付けるべきだっていうのが僕にはあります。加害者に対する人権上、日本ではなかなかできないんですけども、性犯罪とかストーカーに関しては僕はGPSを装着するという…少なくとも執行猶予期間中はね、僕はもう踏み出さないといけないと思います」

(関西テレビ「ドっとコネクト」8月30日放送より)

関西テレビ
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