徹底したこだわりの栽培法で甘みを凝縮させた「朝獲り完熟桃」が、岩手県盛岡市のふじむら農園で最盛期を迎えようとしている。蕾の段階からの選抜や朝の低温時の収穫など独自の工夫で、完熟の甘さと食感を両立させた逸品だ。「最高の状態で届けたい」という農園主の熱意が詰まったモモは9月下旬まで楽しめる。
完熟の香りが漂う農園
立ち並ぶ木に近づいてみると収穫を間近に控えたモモからほんのり甘い香りが漂っている。芳醇な香りを漂わせていたのは濃い甘味が特長のモモ「紅くにか」だ。

盛岡市のふじむら農園ではその「紅くにか」の収穫が最盛期を迎えようとしている。
8月22日の朝は、農園の藤村真哉代表らがモモの状態をていねいに確認して収穫をしていた。

「4月に少し開花が遅れたことと、7月に干ばつだったことで少し収穫が遅れているが、モモの出来は全体的にいい。おいしくできていると思う」と藤村代表は語る。
徹底したこだわりの栽培方法
この「紅くにか」などふじむら農園でつくられている12品種のモモは「朝獲り完熟桃」と呼ばれ、甘さを最大限に引き出すために、徹底したこだわりで栽培されている。
まず、蕾の段階から選抜作業を始め、最終的に1本の木あたり1%しかモモの実を残さない。わずかなモモに甘みを凝縮させる環境を整えるためだ。

また、市場を通して小売店に並ぶ一般的なモモは輸送する期間を逆算して、完熟の手前で収穫されるが、ふじむら農園は、収穫直後に直売・直送する販売方法のため、甘味が最も高まる完熟の段階まで収穫を待つことができるのだ。

さらに気温が低く鮮度が保たれやすい朝に収穫するため、完熟していても実がしっかりとしていて、心地よい食感も楽しめるという。
藤村代表は「最高の状態で届けたい。毎朝結構大変、暑いときもあるし雨のときもあるし、でも食べる人のためにつくるというのが、私たちの思いになっている」と思いを語る。
開店前から並ぶファン
盛岡市手代森にあるふじむら農園の直売所では、採れたてのモモをめあてに22日は、開店前から7組の客が並んだ。

訪れた客は大きくカットされた「朝獲り完熟桃」の紅くにかなどを試食し、その上で形や大きさをよく見極め、思い思いにたくさんのモモを買い求めていた。
八幡平市から訪れた人は「食感と甘さと香りがそれぞれにあるので、とてもおいしい。おいしいしか言えない」と感想を述べた。

ふじむら農園のモモの直売所は9月下旬ごろまで営業する予定だ。
この期間中、こだわりの栽培で甘みを凝縮した「朝獲り完熟桃」を味わってみてはいかがだろうか。
(岩手めんこいテレビ)