目の前の使用済みのビールグラスに気づいてキッチンカウンターに置く。トイレの帰りに玄関に干してある傘に気づいて、くるくる畳んで傘立てにしまう。
ついでに靴箱の上の消臭剤が残り少ないことを感知する(これだけで後日、スーパーで消臭剤と目が合う。関連記憶のきっかけを脳に仕込んだから)。
これだけしても、最後にビールグラスがテーブルに残した水滴を拭きとる台ふきんを持って戻るのを忘れない。これらを、ほぼ無意識のうちにやってのけるのである。
なんなら、子どもの靴の汚れ具合や、明日履く靴の確認もするかも。トイレのちょっとした汚れもぬぐってくるかも。

タテ型回路は、目的から意識をそらさないので、トイレに行くとなったら、トイレしか頭にないはず。
あとから家族に「ついでにビールグラスを片付けてよ。いつだって置きっぱなしなんだから」と叱られても、気づくことなんて、はなっから眼中にないので、「言ってくれればやったのに」となる。
ヨコ型回路優先の人は、「気づかないこと」にイラついているので、タテ型回路の「言ってくれればやったのに」は二重に腹が立つ。
「なんで私がいちいち言わなきゃいけないの? 私が片付け役だとでも?私は、あなたのお母さんじゃない」と思うから。こういうときは、「気づかなくてごめん」が正解ですよ。
ヨコ型回路が苦手とする作業
逆に、家具を組み立てる、なんていうときには、タテ型回路のブレない目的意識が役に立つ。