しかも、あたりまえですが、自分がなにを好きかがわかっていないと、周りの人に伝えることができません。
つながりにエネルギーを集中させる
人間関係の中で、お互いの「好き」に共通点があるとわかった瞬間に、距離が一気に縮まることがありますよね。「推し」が同じだとわかった時点でいきなり仲よくなれたりする。
私たちは、お互いに「好き」を知らないまま時間を過ごしている可能性があります。でも、それをお互い知るだけで新たな関係性が生まれるかもしれない。これからの年代においてもとても貴重なことだと思います。

人生後半になると、仕事や子育てでつながっていた関係が減り、交友関係が狭くなってくるのは自然なことです。ですが、つながりが減っていくことをさびしいと思う必要なんかぜんぜんない。
本当につながっておきたいと思っている人とのつながりだけが残っていく年代なのだととらえたらいいでしょう。その大事なつながりに時間とエネルギーを集中させることができるのだから、むしろよかったと思ったらいい。
そして、もう十分に伝わっている人もいるかもしれませんが、大事に思う人にこそ、自分はなにが好きなのか、これからなにに時間を使っていきたいのかを知っておいてもらえると幸せですよね。
どんなことに喜びを感じ、どんなことを嫌と思うのか。それがわかれば、嫌と思う経験を減らし、喜びを感じる時間を増やすことができる。好きであふれる人生をつくることができると思うのです。
まずは一度、自分がなにが好きなのかを言語化してみてはどうでしょう。手帳に書いておくのもいいですね。ぜひ下のリストを参考にしてみてください。
■自分の「好き」を知るための13の問い
・好きなものは?
・好きな色は?
・好きな場所は?
・好きな人は?
・得意なことは?
・続けたいことは?
・続けられていることは?
・うれしく思える自分の行動は?
・うれしく思える人の行動は?
・言われてうれしい言葉は?
・褒められたらうれしいことは?
・大事にしたいことは?
・大事にしたい人は?

高尾美穂
医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。イーク表参道副院長。ヨガ指導者。婦人科の診療を通して、女性の健康を支え、女性のライフステージに応じた治療法を提示し、選択をサポートしている。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日系BP)、『人生たいていのことはどうにかなる』(扶桑社)、『更年期に効く美女ヂカラ』(リベラル社)など。