仕事や家事、子育てから解放された50~60代は、これからは自分が主役となる「人生第2章」の幕開けとなる。
そんな新たな人生の一歩をどのようなマインドで過ごしていけばいいのだろうか。
産婦人科医・高尾美穂さんの著書『「自分が主役」で生きたらいいじゃん』(扶桑社)は、第2の人生をはじめる人たちに向けて、背中を押すメッセージを収録している。
後回しにし続けてきた「自分」に向き合うためのアドバイスを、一部抜粋・再編集して紹介する。
嫌な言葉は「斜めにかわす」
【自分を傷つける言葉を真正面からわざわざ受け止める必要はない】
心に引っかかる嫌な言葉は、真に受けず、斜めにかわすイメージで。そもそも人を傷つける言葉は言われる必要も言う必要もないのです。
人から言われた自分を傷つける言葉を、真に受ける必要はありません。「真に受ける」とはどういう状態かというと、ものが飛んできたときに、それを自分の体の「真正面から受け止める」というイメージ。嫌な言葉は、「斜めにかわす」のでよいと思います。

もちろん、自分にとって大事な人からの言葉であれば、真摯に受け止めることは大切です。でも自分にとって大事じゃない人からの言葉であれば、わざわざ真正面から受け止めなくてよいのではないでしょうか。
自分にとって大事な人か、そうでないかを意識することは、私たちが社会で無駄に傷つかないで生きていくための方法とも言えます。
逆も同じで、私たちが誰かを傷つける言葉を言う必要もありません。相手に対してよかれと思って選ぶ言葉は、ときに人を傷つけることもあります。
それは正義感から出た言葉なのかもしれませんが、その正義は、誰にとっての正しさなのでしょうか。私にとっての正しさが、相手にとっての正しさではないかもしれない、そう考えてみることも大切です。