上杉謙信の愛刀として知られる『山鳥毛(さんちょうもう)』。新潟県上越市は、過去にこの刀の購入を目指し、当時の所有者と交渉したものの金銭面で折り合いがつかず購入を断念した。その山鳥毛の特別展示が上越市で始まった。
過去には購入断念も…謙信公の愛刀“山鳥毛”がふるさと・上越に!
上越市の歴史博物館に展示されているのは、戦国武将・上杉謙信が愛用していたと伝えられる国宝の『太刀無銘一文字』。通称・山鳥毛だ。

華やかで美しい刀紋が山鳥の羽毛に似ていることからその名がつけられた山鳥毛。今回、上杉謙信のふるさとである上越市で初めて一般公開されることになった。
この刀をめぐっては、もともと岡山県に住む男性が所有していたが、2016年に上越市に売却の意向を示すと、上越市も総額7350万円に上る寄付金を集めたほか、市議会の承認を得るなどしながら所有者と交渉を進め、購入を目指していた。
しかし、3億円を上限とする上越市と5億円を望む所有者との間で、金銭面で折り合いが合わず、購入を断念。
その後、岡山県瀬戸内市が刀を購入する方針を示し、現在は瀬戸内市内にある博物館で保管されている。
“謙信公祭”節目の年に展示実現「たくさんの方に見てもらいたい」
こうした中、上越市内で毎年開催されている謙信公祭が2025年で100回の節目を迎えるにあたり、市民から刀の展示を熱望する声が挙がったことで上越市などが瀬戸内市と交渉。承諾を得て待望の展示にこぎつけた。

期待値は高く、一般公開前にも関わらず用意された3000組分の前売り観覧チケットは完売したという。
上越市の中川幹太市長は「こんなに素晴らしい紋様の刀を私は見たことがない。たくさんの方にこの刀を見てもらいたいと考えている」と話す。
山鳥毛は上越市で8月24日まで特別展示されている。
(NST新潟総合テレビ)
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