大本命!毎月29日、50袋限定で抽選販売の「肉福袋」

7月29日の午前8時、鹿児島県曽於市の食肉メーカー「ナンチク」の直売所では、店の大きな建物に沿って客が並び、最後尾から最前列までいくつかある角を曲がっても曲がっても、人、人、人の長い行列ができていた。
朝とはいえ、真夏の鹿児島の午前8時は暑い。そんな中でも行列をいとわず並ぶ皆さんのお目当ては、毎月29日の「肉の日」にちなんで、50袋限定で抽選販売される「肉福袋」だ。

午前8時の直売所 既に長蛇の列!
午前8時の直売所 既に長蛇の列!
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「肉福袋」には、ナンチクの肉が約2キログラム入っていて、通常なら1万円相当する内容だが、直売所ならではの超お買い得価格の5千円で買えるという。

先頭の女性客は、午前6時40分に来て並んだという。「お盆に家族でバーベキューをするので、その準備にお肉を見に来た。当たったらラッキーですけど」。
別の男性客は「やっぱり牛肉ですよね。ここは他の肉屋に比べておいしいですから。種類がたくさん入っているから楽しみですよね」。皆さん、良質な肉をスーパープライスで手に入れようと、気合十分だ。

地の利のない南九州の畜産品を大消費地へ 国内初の大規模な食肉処理施設

畜産業が盛んな曽於市。大隅半島北部の宮崎県との県境に位置していて、その曽於市に、牛や豚の食肉製造販売をしている「ナンチク」はある。南九州の畜産は大消費地に遠く地理的なハンディを伴うが、都市部へ安定的に食肉を届けようと、鹿児島県や宮崎県などが出資し、約60年前に「ナンチク」を設立。国内初の大規模な食肉処理施設として操業を開始した。
本社工場がある曽於市の広い敷地内には、食肉処理場のほかレストランや販売所など様々な施設が配置されている。
ここでの年間の処理頭数は、牛が約1万5千頭で、豚は約32万頭に上るという。

ナンチク(鹿児島県曽於市)
ナンチク(鹿児島県曽於市)

倍率は4.3倍! 喜ぶ人、悔しがる人 明暗を分ける抽選

「残り1分少々で締め切ります。お急ぎくださーい」。午前8時半の締め切り時間ギリギリにも、客が駆け込んできた。
7月29日は平日にもかかわらず、215人が並んだ。
ちなみに、祝日(昭和の日)と重なった4月29日の肉の日に並んだのは354人にのぼった。
価格や品質など、工場に併設する直売所ならではの信頼感もあり、肉福袋は口コミで広がって、行列の長さもぐんぐん伸びてきたという。

くじ引きは、タブレットの抽選箱を回し、その場で当落がわかるシステムになっている。並んだ215人のうち、当たるのは50人。今回の倍率は4.3倍だ。
まず先頭にいた客がタブレットの画面をタッチするが、「あ~、はずれ~」。その後もなかなか当たりは出ず、ため息が漏れる。するとそこへ、幼い女の子が当選を引き当てた。「やったー!」大喜びで引換券をスタッフに手渡すと、保護者の男性も「バーベキューで食べます。脂が乗っていておいしいです」と、みんなで肉を食べるのを楽しみにしているようだ。
また、当選した別の男性は「当たりました!ラッキーでした。前回はハズレたので、リベンジできました」とルンルン気分。
抽選が行われた販売所の前では、このほかにも小さくバンザイをして喜ぶ人や、奥さんに「ごめんね」と謝る男性など、列に並んだ人たちが喜んだり残念がっている光景が、あちこちで見られた。

見事当選!家族でBBQ♪
見事当選!家族でBBQ♪

肉福袋を購入した女性に福袋の中身を見せてもらった。「これと、これと」四角の保冷バッグから肉が入ったパックを1つずつ取り出すたびに、「わっ、すごーい!これと入っていました。すごーい、初めて見ました」と歓喜。満足の行く買い物ができたようだ。

おいしいお肉がたくさん入った肉福袋に大満足
おいしいお肉がたくさん入った肉福袋に大満足

生産者と消費者の架け橋 「地域の畜産の発展につながれば」

これほどまでに人々の心を引きつける、魅惑の肉福袋はどのように作られているのだろうか。特別にパック詰めの作業の様子を見せてもらった。
加工場では、衛生服にすっぽりと身を包んだスタッフが、牛肉を切り分けたサクを包丁でスライスしていた。サシが均一で見るからに上質そうな肉は、鹿児島黒牛の和牛ロースの「カブリ」という部位だという。「カブリとは、リブロースの上に乗っている部位で、サシがきめ細かくておいしい希少部位です。1頭に1キログラム~2キログラムくらいです」と、担当者。
また工場では、肉福袋用の肉のほか、直売所で販売される新鮮で高い品質の牛肉や豚肉が次々とカットされ、大量に積まれていた。

目玉商品の「カブリ」
目玉商品の「カブリ」

直売所で販売される肉は普段からお得なのだが、「肉の日」はさらに安く提供されるとあり、
「肉福袋」に当たった人も、はずれた人もそれぞれに買い物を楽しみ、満足した様子だった。

ナンチク加工部外食課の古市真也課長は「鹿児島黒牛をたくさん食べていただいて皆さんに満足してもらえれば、我々も頑張ったかいがあるというものです。鹿児島黒牛や黒豚をたくさん食べてもらい、生産者と消費者のかけ橋になれればいいなと思います。そして、この地域の畜産の発展につながればと考えています」と語る。

8月29日は年に1度の「やきにく」の日! 盛り上がること間違いなし

8月29日は、年に1度の「やきにく」の日。
「肉福袋」の獲得を目指して、より多くの人が列を作るのは間違いなさそうだ。

ちなみに直売所にはレストランも併設されていて、肉の日に合わせてステーキ定食やビビンバ丼など、月替わりでお得価格のメニューが登場するという。

鹿児島のおいしい肉を、心ゆくまで楽しんでみてはいかがだろうか。

ナンチク直売店 レストラン肉の蔵
鹿児島県曽於市末吉町深川61-2 0986-76-5487

鹿児島テレビ
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