秋田・大仙市11日で、子グマが人のすぐそばまで接近する様子が撮影された。田んぼや道路沿いをうろつく姿が確認されており、撮影者は偶然、車で至近距離から出くわしたという。専門家は、子グマの背後には親グマがいる可能性が高く、安易に近づくことは非常に危険だと警鐘を鳴らしている。

住宅近くで目撃された子グマ

秋田・大仙市の茂みで11日正午頃に撮影されたのは、撮影者の元へと近づいてくる1匹の子グマだった。

道路を歩く子グマ
道路を歩く子グマ
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チラチラと撮影者を見ながら、のしのしと道路を横断すると、茂みに座って葉っぱをもぐもぐと食べていた。撮影者の乗る車からは、手を伸ばせば届きそうな距離だ。

実はこの1時間程前、撮影者が仲間とともに農作業を終えた直後、田んぼの中でうごめく黒い影を発見していた。よく見ると、その正体は同じクマだ。

当時を振り返り撮影者は、「最初はカラスかな?と思ったんですけど、耳があるって、ぴょこぴょこ出てくる感じだった」と話した。

田んぼから住宅の方へ向かう子グマ(FNN投稿サイト「ビデオPost」)(提供:株式会社かける)
田んぼから住宅の方へ向かう子グマ(FNN投稿サイト「ビデオPost」)(提供:株式会社かける)

しばらく田んぼの間をうろついていたクマは、その後住宅の方へと向かっていったという。

撮影者はすぐに住人たちに注意を呼びかけに向かったが、その途中でクマとばったり出くわした。撮影者が乗る車との距離は約3mだった。

しかし緊迫の瞬間かと思いきや、クマは目の前を通り過ぎると警戒する様子も見せず、茂みでくつろいでその場を去っていった。

クマの様子について撮影者は「親離れしたばかりなのかな…終始なにか食べ物を探しているような感じはありました」と語った。

「親グマいるかも」子グマでも油断は禁物

しかし、なぜクマは警戒することなく人に近づいてきたのか。

生物行動進化研究センターのパンク町田理事長は、「おそらく子グマだから警戒心が薄いというのもありますけど、車に乗ってるから、そこまで近寄れた」と分析している。

しかし子グマだった場合でも、遭遇したら注意が必要だ。

人のすぐそばでうろついていた子グマ(FNN投稿サイト「ビデオPost」)(提供:株式会社かける)
人のすぐそばでうろついていた子グマ(FNN投稿サイト「ビデオPost」)(提供:株式会社かける)

パンク町田理事長は、「まだ完全に親離れできる年齢ではありませんので、親グマが必ずそばにいます。油断してそばに歩み寄りとか絶対に辞めた方が良い」と注意を呼びかけている。
(「イット!」 7月17日放送より)

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