家庭裁判所での審判を待つ間、複数の被害者から損害賠償を求められ、家族は総額で数百万円の被害弁済に直面することとなった。両親は「なぜ息子がこのような盗撮行為に及んだのか」という自責の念に苛(さいな)まれる日々を送っている。

父親は仕事も手につかず休職を余儀なくされ、母親は近所の目が怖くて外出もままならない状況に追い込まれた。Cと同じエリアの中学校に通う妹は、学校内で噂になっていじめに遭い、転校を検討せざるをえない状況となった。

増える未成年者の盗撮

子どもが未成年の場合でも、性犯罪の加害者家族になる可能性はあります。とくに近年深刻なのが未成年者による盗撮行為です。

なかには「悪ふざけしただけでしょ」という反応を示す親もいますが、盗撮はれっきとした性犯罪です。

2023年7月には、性的な撮影行為を取り締まる「性的姿態等撮影罪(撮影罪)」が新設され、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられることになりました。

年々増加する中高生の盗撮行為(画像:イメージ)
年々増加する中高生の盗撮行為(画像:イメージ)

私のもとにも、中高生の性問題行動として盗撮行為の相談が年々増えています。

警察庁の統計によると、2023年7月~2024年11月に起きた中学生同士の盗撮行為のうち撮影罪で検挙されたのは83人にのぼり、うち38人は学校内での盗撮行為でした。

また、高校生同士の盗撮行為のうち撮影罪で検挙されたのは316人にのぼり、うち112人は学校内で盗撮をしていました。

未成年者である子どもが刑事事件の加害者となった場合、14歳以上であれば逮捕されます。少年事件の場合、成人のように起訴されて刑罰が下されるわけではなく、その処分は家庭裁判所の審判に委ねられます。